保育園の退職証明書|経験年数の証明とは別
公開 2026年10月22日
目次18項目
- 1保育園の退職証明書と経験年数の証明は目的が違う
- 様式の有無が違う
- 交付までの時間も違う
- 両方を求められることもある
- 2保育園の退職証明書に書ける5つの事項
- 請求されていない事項は書かない
- 交付の時期に日数の定めは無い
- 手数料の扱いを先に決める
- 3保育園の退職証明書で業務の種類をどう書くか
- 年度ごとに担当が変わる
- 役職があれば地位の欄に書く
- 保有資格は請求が無ければ書かない
- 4保育園の退職証明書の使用期間が経験年数の土台になる
- 常勤か非常勤かを添える
- 短時間勤務の期間
- 年度の途中で辞めた場合
- 5保育園の退職証明書と離職票は別のもの
- どちらを出すかは用途で決まる
- 在職中の人から求められたら別の書類
- 6保育園の退職証明書の材料をどこから取るか
- 職員名簿
- 勤務シフト表
- 賃金台帳
- 出勤簿
- 7保育園の退職証明書はいつまで応じるか
- 記録の保存期間が、書ける期間になる
- 残っていないことは、残っていないと伝える
- 退職者の記録を1か所に綴じる
- 8保育園の退職証明書を出す前に確かめる3つ
- 求められている書類が合っているか
- 請求された項目と一致しているか
- 園の情報が入っているか
- 9保育園の退職証明書の控えをどう残すか
- 請求の記録と同じつづりに入れる
- 法人で複数の園がある場合
- 年度で区切る
- 10保育園の退職証明書を法人の中で回す
- 在籍していた園が受ける
- 異動があった人の扱い
- 本部で様式をそろえる
- 11保育園の退職証明書を新しい主任に引き継ぐとき
- 2つの書類の違いを最初に伝える
- 交付までの目安を2つ伝える
- 前回の控えを見せる
- 記録の置き場所を教える
- 12保育園の退職証明書の手順を1枚にする
- 退職の案内に1行入れる
- 社印の扱いを決めておく
- 退職者の連絡先を残す
- 13保育園の退職証明書が求められる場面
- 次の園への提出
- 国民健康保険や国民年金の手続き
- 賃貸や融資の審査
- 失業給付までのつなぎ
- 14保育園の退職証明書で賃金欄をどう書くか
- 月額か年額か
- 手当を含めるかどうか
- 請求が無ければ書かない
- 賃金台帳から取る
- 15保育園の退職証明書を解雇のときに書く
- 理由は事実で書く
- 子どもにかかわる事案のとき
- 予告のときにも請求できる
- 16保育園の退職証明書を受付から交付まで流す
- 受付で聞くこと
- 作成で見るもの
- 交付で残すもの
- 郵送にするか手渡しにするか
- 17保育園の退職証明書と離職票を混ぜない
- 出すところが違う
- 使う場面が違う
- 届くまでの時間が違う
- 本人にどう説明するか
- 18保育園の退職証明書を年度末にまとめて備える
- 3月に集中する
- 同じ書式で出す
- 担当を決めておく
- 退職の予定が分かった時点で声をかける
- 再発行の求めにも備える
退職した職員から「証明書を書いてほしい」と連絡が来る。その場で様式を用意しようとして、手が止まります。求められているのが、退職証明書なのか経験年数の証明なのかが分からないためです。
一般には、受付の時点でどちらかを分ける形が取られています。この2つは目的も中身も別です。
同じつもりで進めると、出した後に作り直すことになります。
ポイントはここです。保育園の退職証明書は、受付でどちらの書類かを先に分けると迷いません。
ここでは、2つの書類の違い、書ける5つの事項、担当クラスの書き方、そして材料と保存期間までを順に整理します。
保育園の退職証明書と経験年数の証明は目的が違う
保育の現場でいちばん混ざるのが、この2つです。
退職証明書
- 退職した事実を証明する
- 労働基準法にもとづく
- 書ける事項は5つ
経験年数の証明
- 在籍した期間と勤務の形を示す
- 転職先の処遇や研修の要件に使う
- 提出先が様式を持つことが多い
様式の有無が違う
退職証明書は様式が定められていないため、園が作ります。一方で、経験年数の証明は提出先が様式を指定していることがあります。
交付までの時間も違う
経験年数の証明では、勤務の形や日数を数える作業が入ることがあります。そのため、退職証明書と同じ感覚で「数日で」と答えると間に合いません。
両方を求められることもある
用途が違うため、どちらかで代えられるとは限りません。この場合、それぞれの目安を伝えます。
保育園の退職証明書に書ける5つの事項
退職証明書は、退職した人の請求に応じて園が交付する証明書です。
- 5つ証明できる事項
- 請求分だけ実際に書く範囲
- 遅滞なく交付の時期
解雇の場合は、その理由も含むとされています。
請求されていない事項は書かない
これは定めがあるとされています。よかれと思って保有資格や退職の事由を足すと、提出先に不要な情報が伝わります。
交付の時期に日数の定めは無い
遅滞なくとされていて、何日以内という定めはありません。そのため、園で目安を決めておくと担当が迷いません。
手数料の扱いを先に決める
一般には無償で交付している園が多くあります。実費の扱いを決めるなら、請求が来る前に決めておきます。
保育園の退職証明書で業務の種類をどう書くか
保育では、職種と担当していたクラスを書く形が分かりやすくなります。
保育士、保育補助、調理員、看護師、栄養士。担当した年齢のクラスも添えると、転職先での証明になります。
年度ごとに担当が変わる
3歳児クラスを3年、その後1歳児クラス。そのため、期間を分けて書くと、そのまま経歴の証明になります。
役職があれば地位の欄に書く
主任、副主任、クラスリーダー。この場合、園でしか通じない呼び方ではなく、伝わる言葉にします。
保有資格は請求が無ければ書かない
書ける事項は5つに限られています。資格そのものの証明が必要なら、本人が登録証で示します。
保育園の退職証明書の使用期間が経験年数の土台になる
転職先では、在籍していた期間が見られます。
使用期間は、雇入れの年月日から退職の年月日までです。産前産後や育児の休業で在籍していた期間の扱いは、提出先によって判断が変わることがあります。
- 休業していた期間があるか はい本人に書くかどうかを確かめる いいえ期間をそのまま書く
- 本人が書くことを希望するか はい備考に期間を書く いいえ使用期間だけを書く
- 提出先が様式で求めているか はいその様式に従う いいえ園の様式で足りる
書くことで有利にも不利にもなりうる。判断は本人に委ねる
常勤か非常勤かを添える
経験年数の数え方が変わる場面があります。そのため、雇用の形を使用期間と一緒に書いておくと、提出先が判断できます。
短時間勤務の期間
育児のための短時間勤務をしていた期間も、在籍の期間です。一方で、勤務の形が変わっていたことを書くかどうかは、用途によります。
年度の途中で辞めた場合
年度の区切りと在籍の区切りがずれます。この場合、日付をそのまま書きます。年度に丸めません。
保育園の退職証明書と離職票は別のもの
社内で混ざりやすいのが、離職票との違いです。
離職票
- ハローワークが交付する
- 失業給付の手続きに使う
- 届くまでに時間がかかる
退職証明書
- 園が発行する
- 様式は定められていない
- 記録がそろえばすぐ出せる
離職票は、園がハローワークへ離職証明書を出し、ハローワークが交付します。
どちらを出すかは用途で決まる
失業給付の手続きなら離職票、転職先や役所の手続きなら退職証明書が多くなります。そのため、本人に用途を聞くのが早い道になります。
在職中の人から求められたら別の書類
在籍している人からの依頼は、在職証明書になります。こちらは法令に定めのある書類ではありません。
保育園の退職証明書の材料をどこから取るか
証明書の内容を新しく作るわけではありません。すでにある記録から写します。
- 1 職員名簿 使用期間と職種
- 2 勤務シフト表 担当クラスと勤務の形
- 3 賃金台帳 賃金
- 4 辞令や配置の記録 その事業における地位
職員名簿
氏名、雇入れの年月日、退職の年月日、従事する業務の種類。使用期間はここから取れます。
勤務シフト表
担当していたクラスと、勤務の形。年度ごとに残っていれば、そのまま経歴になります。
賃金台帳
賃金の額。どの期間の賃金を書くかは、請求の内容で変わります。
出勤簿
勤務した日。経験年数の証明を求められたときに使います。
保育園の退職証明書はいつまで応じるか
請求は、退職の直後とは限りません。転職を考えたときに、何年か経ってから連絡が来ることがあります。
労働基準法にもとづく請求権は、賃金以外は2年とされています。とはいえ、実際に書けるかどうかは、記録が残っているかで決まります。
記録の保存期間が、書ける期間になる
職員名簿、賃金台帳、出勤簿。これらには保存の期間が定められているため、書ける期間はそこに縛られます。
残っていないことは、残っていないと伝える
期間を過ぎた請求については、記録が残っていないことを伝える形になります。そのうえで、所轄の労働基準監督署に確かめると判断の材料になります。
退職者の記録を1か所に綴じる
名簿、台帳、出勤の記録、シフト表。退職の日で綴じておくと、請求が来たときに探す手間が小さくなります。
保育園の退職証明書を出す前に確かめる3つ
交付の前に短い確認を入れると、差し戻しが減ります。
求められている書類が合っているか
退職証明書なのか、経験年数の証明なのか。受付で分けたはずでも、作る段階でもう一度確かめます。
請求された項目と一致しているか
チェック欄と、実際に書いた欄を突き合わせます。請求の無い欄に文字が残っていないかを見ます。
園の情報が入っているか
所在地、名称、設置者。この3つが抜けていると、提出先で受け付けられないことがあります。
保育園の退職証明書の控えをどう残すか
控えの残し方で、次に請求が来たときの手間が変わります。
請求の記録と同じつづりに入れる
どの項目を請求され、何を書いて、いつ渡したか。この3つが1か所にあれば、再請求のときに同じ内容で出せます。
法人で複数の園がある場合
在籍していた園で保管する形が分かりやすくなります。一方で、園をまたいで異動していた職員もいます。
年度で区切る
記録の保存期間の管理と合わせられます。そのうえで、期間を過ぎたものの扱いも決めておきます。
保育園の退職証明書を法人の中で回す
複数の園を運営している法人では、経路を決めておかないと止まります。
在籍していた園が受ける
その職員の記録がある場所です。そのため、連絡が本部に来た場合も、記録のある園へ回します。
異動があった人の扱い
同じ法人の中で園が変わっている場合、通算して書くか分けて書くかを決めます。この場合、提出先が求める形に合わせるのが先になります。
本部で様式をそろえる
園ごとに様式が違うと、法人としての形がそろいません。そのうえで、書き方の決めごとも1枚にして配ります。
保育園の退職証明書を新しい主任に引き継ぐとき
年に何回かしか触らない手続きです。
2つの書類の違いを最初に伝える
退職証明書と経験年数の証明。ここを取り違えると、出した後に作り直しになります。
交付までの目安を2つ伝える
退職証明書は数日から1週間、経験年数の証明は2週間。この2つを分けて覚えてもらいます。
前回の控えを見せる
埋まった状態の様式を1枚見せると、完成形が伝わります。説明より早く分かります。
記録の置き場所を教える
名簿、台帳、出勤簿、シフト表。後から請求が来たときに探す場所です。
保育園の退職証明書の手順を1枚にする
職員の入れ替わりがある園ほど、請求が定期的に来ます。1枚にまとめておくと、担当が代わっても同じ形で回せます。
書くのは5つです。受付でどちらの書類かを分けること、請求の様式、材料の置き場所、交付までの目安、控えの保管場所。
退職の案内に1行入れる
必要になったら連絡してほしい、と伝えておきます。そのうえで、経験年数の証明も出せることを添えると、後の連絡が1回で済みます。
社印の扱いを決めておく
定めはありませんが、園の所在地と設置者名を書き、社印を押している例が多くあります。代表印である必要はありません。
退職者の連絡先を残す
郵送で渡す場面があります。この場合、退職のときに送り先を聞いておきます。
保育園の退職証明書が求められる場面
保育園の退職証明書は、本人が何かの手続きで求められて請求してきます。
次の園への提出
在籍期間と、担当していたクラスや職種が見られます。そのため、業務の種類の欄が中心になります。
国民健康保険や国民年金の手続き
退職した日が分かるものとして、市区町村の窓口で求められます。使用期間があれば足りる場面が多くなります。
賃貸や融資の審査
前職の勤務の実態を確かめるために使われます。この場合、賃金の証明を求められることがあります。
失業給付までのつなぎ
離職票が届くまでの間に、退職した事実を示すために使われます。一方で、給付の手続きそのものには離職票が要ります。
保育園の退職証明書で賃金欄をどう書くか
保育園の退職証明書の賃金の欄は、少し迷います。保育では、処遇改善の手当や、担当による手当が加わる形があります。
月額か年額か
用途によって求められる形が違います。そのため、請求のときに確かめます。
手当を含めるかどうか
含める場合と含めない場合で額が変わります。この場合、何を含めた額かを備考に書きます。
請求が無ければ書かない
賃金の請求が無ければ、この欄は空けます。手当の内訳まで書いて渡す必要はありません。
賃金台帳から取る
記憶や本人の申告で書かないのが原則です。一方で、台帳が月ごとに閉じてあれば、探す時間は短く終わります。
保育園の退職証明書を解雇のときに書く
保育園の退職証明書は、解雇のときも同じ様式で書きます。事由を請求されていれば、その理由も含めて証明することとされています。
理由は事実で書く
評価の言葉ではなく、事実で書きます。就業規則のどの条項にあたるか、どの事実がそれにあたるか。
子どもにかかわる事案のとき
慎重な判断が要ります。そのため、所轄の労働基準監督署や社会保険労務士に確かめてから交付します。
予告のときにも請求できる
解雇の予告がされた日から退職の日までの間に、解雇の理由についての証明書を請求できる形があります。この場合、退職証明書とは別の場面になります。
保育園の退職証明書を受付から交付まで流す
保育園の退職証明書は、受付・作成・交付の3つに分けると滞りません。
受付で聞くこと
用途、提出先、いつまでに要るか、どの欄が要るか。そのため、受付の紙かメールの定型文を1つ作っておきます。
作成で見るもの
出勤簿、賃金台帳、辞令や配置の記録。一方で、記憶で書いた欄が1つでも混ざると、あとで訂正になります。
交付で残すもの
控えを1部、園に残します。この場合、次に同じ人から依頼が来たときに、そのまま写せます。
郵送にするか手渡しにするか
退職後は、郵送になることが多くなります。とはいえ、最終出勤日に渡せるなら、そのほうが早く終わります。
保育園の退職証明書と離職票を混ぜない
窓口で並べて出されるので、園の側でも取り違えが起きます。
出すところが違う
退職証明書は園が作って本人に渡します。離職票はハローワークが交付し、園は資格喪失の届と離職証明書を出す側になります。
使う場面が違う
失業給付の手続きには離職票が要ります。そのため、給付の話が出たら、退職証明書だけで足りるとは言いません。
届くまでの時間が違う
離職票は届くまでに日数がかかります。この場合、その間のつなぎとして退職証明書が使われます。
本人にどう説明するか
「こちらは園が書くもの、あちらは役所から届くもの」。とはいえ、どちらが要るかは提出先に確かめてもらうのがいちばん確かです。
保育園の退職証明書を年度末にまとめて備える
保育では、年度の変わり目に退職が重なります。
3月に集中する
次の園の4月からの採用に間に合わせる形が多くなります。そのため、2月のうちに様式と控えの置き場所を整えておきます。
同じ書式で出す
人によって欄の埋め方が変わると、あとで見比べにくくなります。この場合、園の様式を1つに決めて、そこから写します。
担当を決めておく
年度末は行事と引き継ぎで手が埋まります。とはいえ、作るのは主任と事務のどちらか、を先に決めておくだけで滞りません。
退職の予定が分かった時点で声をかける
本人から請求が来るのを待たなくても構いません。そのうえで、要るかどうかだけ聞いておくと、あとで急がずに済みます。
再発行の求めにも備える
紛失や、提出先が増えたときに、もう一度求められることがあります。一方で、控えが1部あれば、そのまま同じ内容で出せます。
様式は退職証明書テンプレートからダウンロードできます。在籍中の人向けは在職証明書、材料になる名簿は職員名簿にまとめています。

よくある質問
退職証明書と経験年数の証明はどちらを出しますか。
目的が違うため、受付の時点でどちらを求められているかを分けます。転職先での処遇や研修の要件なら経験年数、退職した事実の証明なら退職証明書です。
保有していた資格も書きますか。
請求されていなければ書きません。書ける事項は5つに限られています。資格そのものの証明が必要なら、本人が登録証で示します。
育児休業の期間はどう扱いますか。
在籍していた期間なので使用期間には含みます。休業していた期間があったことを書くかどうかは、提出先の判断が分かれるため、本人に確かめます。