園児台帳と児童票の書き方|項目と保存の考え方
公開 2026年9月4日
目次8項目
- 1園児台帳とは何を残す記録か
- 急な場面ですぐ引き出せる
- 引き渡しの確認に使える
- 名簿の作成の元になる
- 2園児台帳に書く項目
- 連絡先に順番をつける
- 迎えに来る人を登録する
- 健康の欄から対応の様式へつなげる
- 3園児台帳と児童票の役割の違い
- 台帳は上書きして最新にする
- 児童票は書いた時点を残す
- 進級と引き継ぎで両方を使う
- 4園児台帳を更新する流れ
- 変更を伝える方法を決めておく
- 年に1回まとめて確かめる
- 直す担当を決める
- 5園児台帳の個人情報をどう扱うか
- 見る人を必要な範囲に限る
- 園外の行事で持ち出すときの扱い
- 配る名簿の項目を絞る
- 6園児台帳の保存の年数をどう決めるか
- 所管の課に確かめて規程に書く
- 卒園と転園で起算を分ける
- 廃棄の方法を決める
- 台帳の様式を年に1回見直す
- 7園児台帳を入園と卒園の流れに組み込む
- 入園の説明で記入をお願いする
- 面談の内容を児童票に残す
- 卒園のときに保存へ回す
- 8園児台帳と他の記録のつなぎ方
- 在園の一覧を1つにする
- 連絡先の一覧を台帳から作る
- アレルギーの情報は対応の様式でも持つ
園でけがや体調の急変があったとき、その場で問われるのは連絡先や既往をすぐ引き出せるかどうかです。探している数分のあいだ、保護者への連絡も受診の判断も止まります。
一般には、氏名や連絡先といった基本の情報を園児台帳にまとめ、発達の様子は児童票のほうに積み上げていく形が広く使われています。ただし台帳を作っただけでは足りません。住所や勤務先が変わったときに直す流れがないと、いちばん必要な場面で古い番号にかけることになります。
ポイントはここです。園児台帳は、変わったときに直す流れを作ることで使える記録になります。
ここでは、書く項目と児童票との違い、更新の回し方、保存の考え方を順に整理します。
園児台帳とは何を残す記録か
園児台帳は、在園している子どもの基本の情報を一覧で持つ記録です。急なけがや体調の変化があったときに、連絡先や既往をその場で引き出す場面で使います。
残る情報を先に見ておきます。
- 誰か氏名と生年月日
- どこへ保護者と連絡先
- 気をつけること既往とアレルギー
このうち連絡先は、保護者本人の番号だけでは足りません。日中つながる勤務先や、保護者に届かなかったときの次の連絡先まで持っておくと、急ぐ場面で手が止まらなくなります。既往やアレルギーは、給食の対応表など別の様式にもつながっていく情報です。
急な場面ですぐ引き出せる
けがや発熱があったときに保護者へ連絡しますが、1つ目の番号でつながるとは限りません。連絡先がすぐ引き出せる形になっていると、対応が遅れません。
そのため台帳には、かける順番を決めた複数の連絡先を並べて持ちます。つながりやすい時間帯まで書いてあると、日中と夕方で判断を変えられます。
引き渡しの確認に使える
お迎えに来た人が引き渡してよい人かどうかは、その場で判断することになります。あらかじめ台帳に迎えに来る人を登録しておけば、職員が代わっても同じ判断ができます。
逆に登録がないと、判断はその場にいた職員に委ねられます。断りにくい場面もあるため、写真を添えて誰が見ても分かる形にしている園もあります。
名簿の作成の元になる
クラスの名簿や行事の名簿は、台帳から作ります。同じ情報を別の場所にも持ってしまうと、片方だけが古いまま残ります。
そのため台帳を出どころに決めて、必要になるたびにそこから作り直す形にします。保護者に配る名簿の場合は、載せる項目を絞ったうえで作ります。
園児台帳に書く項目
園児台帳に書く項目は、急な場面で使うものを優先します。欄が多いほど正確になるように見えますが、入園のときの記入が負担になり、かえって空欄が増えます。
書く流れを見ておきます。
- 1 本人 氏名と生年月日と性別
- 2 住所 現住所と通園の経路
- 3 保護者 氏名と続柄と勤務先
- 4 連絡先 複数の番号を並べる
- 5 健康 既往とアレルギーと主治医
- 6 入退園 入園と卒園や転園の日
この並びのうち、連絡先と健康の欄は他の様式にもつながります。連絡先は緊急時の一覧に、健康の欄はアレルギー対応の確認表に写る情報です。
| 項目 | 書く内容 | 気をつけるところ |
|---|---|---|
| 氏名 | ふりがなも | 同姓同名の区別 |
| 生年月日 | 年月日 | 年齢とクラスの判断 |
| 住所 | 現住所 | 変わったら直す |
| 保護者 | 氏名と続柄 | 世帯の状況も |
| 連絡先 | 順番を決めて複数 | つながる時間帯も |
| 勤務先 | 名称と連絡先 | 日中の連絡に使う |
| 迎えに来る人 | 登録した人 | 引き渡しの判断 |
| 既往とアレルギー | 内容と対応 | 別の様式にもつなぐ |
| かかりつけ医 | 医院名と連絡先 | 受診の判断に使う |
| 入退園 | 年月日 | 保存の起算に関わる |
連絡先に順番をつける
連絡先は、かける順番を決めて並べておきます。急な場面でどこから掛けるか迷わずに済み、つながらなかったときも次に進めます。
保護者の勤務の形が変わると、日中つながる番号も変わります。そのため転職や部署の異動があったときは、あわせて直す対象になります。
迎えに来る人を登録する
保護者以外が迎えに来る場面は、祖父母や兄姉を含めて日常的に起こります。あらかじめ登録しておけば、その場で確かめられます。
迎えに来る人を登録しておくと、引き渡しで迷いません。そのうえで、急に変わる場合にどう連絡してもらうかまで決めておくと、登録のない人が来たときの扱いもそろいます。
健康の欄から対応の様式へつなげる
アレルギーや既往の情報は、給食の現場でも使います。ただし同じ内容を2か所に書いてしまうと、片方だけが古くなります。
そのため台帳を出どころにして、対応の様式にはそこから写す形にします。台帳の欄に「対応の様式あり」と書き添えておくと、直すときに漏れません。
園児台帳と児童票の役割の違い
園では、園児台帳と児童票を分けて持つ形が広く使われています。見る場面が違ううえ、情報の積み上げ方も違うためです。
園児台帳
- 一覧で見る
- 基本の情報が中心
- 変わったら上書きする
- 急な場面で使う
児童票
- 1人ずつ見る
- 発達と家庭の様子
- 積み上げて残す
- 面談や引き継ぎで使う
台帳は最新の状態だけを持つ記録で、児童票は書いた時点を残していく記録です。この違いを押さえておかないと、児童票を上書きして経過を消すことになります。
台帳は上書きして最新にする
住所や連絡先は、最新のものだけが必要です。古い住所を残しておく意味はないため、上書きしていく形で構いません。
ただし、いつ直したかが分からないと、確かめた記録なのか放置なのか区別がつきません。更新日を書く欄を作っておくと、年に1回の確認と組み合わせて使えます。
児童票は書いた時点を残す
発達の様子は、書いた時点のものとして積み上げます。上書きしてしまうと、どう変わってきたかという経過が消えてしまいます。
そのため記入した年月と書いた人を残し、年度ごとに区切っておきます。数年分を並べて読めると、進級のときの引き継ぎでそのまま使えます。
進級と引き継ぎで両方を使う
進級で担任が代わるときは、児童票で経過をたどり、台帳で最新の情報を確かめます。2つをそろえて渡すことで、前の担任が持っていた前提が次に引き継がれます。
口伝えだけにすると、伝わる内容が人によって変わります。引き継ぎの用紙に書き出したうえで、後から質問できる時間を取っておくと確実です。
園児台帳を更新する流れ
園児台帳は、更新が止まった時点で使えない記録になります。住所や勤務先が変わる場面を、あらかじめ流れに組み込んでおきます。
- 変更を伝える方法を保護者に伝えているか はい次へ いいえ入園時に伝える
- 受け取った変更を直す担当がいるか はい次へ いいえ担当を決める
- 年に1回まとめて確かめているか はい次へ いいえ確認の時期を決める
- 直した日を残しているか はい回る形になっている いいえ欄を作る
伝える方法と直す担当を決めて、年に1回まとめて確かめる
この4つのうち最初に抜けやすいのは、保護者に伝える方法です。届け出の出し方を知らなければ、変わったことを伝えようがありません。
変更を伝える方法を決めておく
住所や勤務先が変わったときの届け出の方法を、園で1つに決めます。連絡帳に書いてもらうのか、所定の用紙を出してもらうのかを決めて、入園の説明で伝えておきます。
口頭だけで伝えられると、受けた職員が忘れればそこで消えます。受け取ったことを保護者に返す形にしておくと、伝わったかどうかが双方で分かります。
年に1回まとめて確かめる
届け出だけに頼っていると、変わったのに伝わっていない情報が少しずつ溜まります。そのため年度の初めに、台帳の内容を印刷して保護者に確かめてもらう形を取ります。
年に1回まとめて確かめると、古い情報が残りません。確かめた日を台帳に残しておけば、次の年の目安にもなります。
直す担当を決める
変更の届け出を受け取ったあと、誰が台帳を直すかを決めておきます。担当が決まっていないと、受け取ったまま事務室に置かれて終わります。
連絡先のように複数の様式に関わる情報は、直す先もあわせて書いておきます。直した日を残す欄を作っておくと、抜けたときにそこで気づけます。
園児台帳の個人情報をどう扱うか
園児台帳には、住所や勤務先に加えて、家庭の状況を含む情報が入ります。扱いを誤ると、記録の問題ではなく信頼の問題になります。
上の2つは平時の保管の話で、下の3つは外に出るときの話です。持ち出しと配布は場面が限られるぶん、決めていないと個別の判断になりがちです。
見る人を必要な範囲に限る
台帳を見られる人を、園としてあらかじめ決めておきます。全員が自由に見られる状態にはせず、保管の場所と鍵の管理もあわせて決めます。
決めた内容は規程に書いておきます。そうしておけば、担当や園長が代わっても同じ扱いが続きます。
園外の行事で持ち出すときの扱い
散歩や遠足では、緊急の連絡先を持ち出す必要があります。とはいえ台帳そのものを持ち出すと、紛失したときの影響が大きくなります。
そのため必要な項目だけを抜いた用紙を作り、それを持って出る形にします。戻ったときに回収するところまでを、行事の手順に入れておきます。
配る名簿の項目を絞る
保護者に配る名簿に住所や連絡先を載せるかどうかは、園で決めます。入園のときに得た同意の範囲を確かめたうえで判断します。
配る名簿は項目を絞る形にします。載せる場合は、何をどこまで載せるかを事前に保護者へ説明しておきます。
園児台帳の保存の年数をどう決めるか
園児台帳と児童票の保存は、自治体の条例や指導で定められている場合があります。国の基準だけで判断すると、地域の扱いと合わないことがあります。
卒園後の保存を5年としている自治体が多く見られますが、これは目安にすぎません。実際の年数は所管の課に確かめて、園の規程に書いておきます。
所管の課に確かめて規程に書く
保存の年数は、確かめた内容を園の規程に書いておきます。そうしておけば、担当が代わっても同じ扱いが続きます。
確かめた日もあわせて残しておくと、次に確かめ直す目安になります。条例が改正されることもあるため、数年に一度は見直す対象です。
卒園と転園で起算を分ける
卒園した子どもと、途中で転園した子どもがいます。どちらも在園していた期間の記録として残しますが、保存の年数をいつから数えるかは決めておく必要があります。
年度ごとにまとめて、表紙に期限を書いておく形にすると、廃棄の判断がその年度の分だけで済みます。
廃棄の方法を決める
期限が来た記録をどう捨てるかまで決めておきます。氏名や住所が含まれるため、そのまま資源ごみに出すことはできません。
廃棄の方法を決めておくと、扱いを誤りません。いつ何を廃棄したかも記録に残しておくと、後から求められたときに説明できます。
台帳の様式を年に1回見直す
使われていない欄が残っていると、記入の負担だけが積み上がります。年に1回、空欄が目立つ欄を落とす時間を取ります。
逆に必要になった項目は、その時点で足します。見直した内容を残しておけば、なぜその欄があるのかが次の年に分かります。
園児台帳を入園と卒園の流れに組み込む
園児台帳は、入園の手続きのなかでまとめて作る形にします。後から作ろうとすると、日々の保育が始まってしまい、そのまま作られません。
- 1 入園の説明 記入をお願いする
- 2 台帳の作成 受け取った内容を入れる
- 3 児童票の作成 面談の内容を残す
- 4 在園中の更新 変更を反映する
- 5 進級の引き継ぎ 担任が代わるとき
- 6 卒園と保存 期限を書いて保管
入口と出口を手続きに組み込んでおけば、途中の更新だけを回せば済みます。
入園の説明で記入をお願いする
入園の手続きで、必要な情報を書いてもらいます。このとき何に使う情報かをあわせて説明しておくと、記入の意味が伝わります。
同意の書面も同じ場面で受け取ると、後から集め直さずに済みます。書き方の例を添えておけば、空欄のまま返ってくることも減ります。
面談の内容を児童票に残す
入園の前に面談を行う園では、家庭の状況や配慮が必要な点をそこで聞きます。聞いた内容はその日のうちに児童票へ書きます。
時間が経つと、聞いた言葉が自分の解釈に置き換わっていきます。入園の説明で使う資料の一覧も持っておくと、何を渡して何を受け取ったかが分かります。
卒園のときに保存へ回す
卒園の手続きのなかで、台帳と児童票を保存に回します。卒園のときに保存へ回すと、探さずに済みます。
このとき保存の期限を表紙に書き、年度ごとにまとめて保管します。転園の場合も同じ流れに乗せておけば、扱いが分かれません。
園児台帳と他の記録のつなぎ方
園児台帳は、園の他の記録とつながっています。同じ情報を別々に持つと、どこかで食い違いが起きます。
- 出席出席簿と登降園記録
- 健康アレルギー対応と健康観察
- 連絡保護者連絡先一覧
在園している子どもの一覧を1つに決めておくと、他の記録の抜けもそこで見つかります。
在園の一覧を1つにする
在園の一覧が複数あると、片方だけが直されます。そのため労働者名簿と同じ考え方で、園児台帳を出どころに決めます。
クラス替えや途中入園があったときは、まず台帳を直します。そこから各記録へ広げる順序にしておけば、抜けが起きにくくなります。
連絡先の一覧を台帳から作る
急な場面で使う連絡先の一覧は、台帳から作ります。別に手で入力すると、そちらだけが古くなります。
作り直す時期を決めたうえで、置き場所も全員が分かる形にしておきます。持ち出す場面があるなら、そのときの扱いもあわせて決めます。
アレルギーの情報は対応の様式でも持つ
アレルギーの情報は、給食の現場でも使うため対応の確認表に写します。写すときは台帳を出どころにします。
そのうえで、内容が変わったときに両方を直す流れを決めておきます。片方だけ直すと、どちらが正しいのか分からなくなります。
様式は園児台帳テンプレート、児童票からダウンロードできます。出席の記録は出席簿、登降園記録簿にまとめています。
よくある質問
園児台帳と児童票は分けて持つのですか。
分けて持つ形が広く使われています。園児台帳は氏名や連絡先といった基本の情報を一覧で見るもので、児童票は発達の様子や家庭の状況を1人ずつ積み上げるものです。見る場面が違うため、様式も分かれます。
保存の年数はどのくらいですか。
園の記録の保存は、自治体の条例や指導によって定められている場合があります。5年としている自治体が多く見られますが、地域によって扱いが変わります。所管の課に確かめて、園の規程に書いておく形が確実です。
転園した子どもの記録はどう扱いますか。
在園していた期間の記録として残す形になります。転園先へ引き継ぐ情報の範囲は、保護者の同意を得て決めます。求められた場合の対応も、あらかじめ園で決めておくと迷いません。