保育の月案と週案の書き方|ねらいの立て方
公開 2026年9月4日
目次8項目
- 1月案とは何を決める計画か
- その月の保育の軸になる
- 週案と日誌へ落ちていく
- 保護者への説明にも使える
- 2月案を書く順序
- 前の月の姿を具体的に書く
- 振り返りを達成の有無で終わらせない
- 環境と援助を分けて書く
- 3月案のねらいをどう立てるか
- 子どもの姿の言葉で書く
- 数を絞る
- 発達の見通しを確かめる
- 4月案から週案へどう落とすか
- ねらいは引き継いで書き直さない
- 環境の構成を週ごとに変える
- 天候と行事を織り込む
- 前の年の同じ月を参考にする
- 5月案の振り返りをどう回すか
- 週の振り返りを短く行う
- 月末に会議で共有する
- 次の月案に持ち込む
- 6月案と行事のつなぎ方
- 行事にもねらいを置く
- 準備の量を子どもの姿で判断する
- 日常の遊びとつなげる
- 複数の担任で作る
- 7月案を書き続けられる形にする
- 日誌から前の月の姿を拾う
- 写す欄を様式に作る
- 会議の時間で一緒に作る
- 8月案の保管と引き継ぎ
- 職員が読める形にする
- 年度ごとに綴じる
- 次の担任へ渡す
去年の同じ月の計画に、日付だけ入れ替えて出す。書く時間が取れないと、こうなります。
一般には、計画は目の前の子どもの姿から立てるものとされています。それでも、姿を書き出す材料が手元にないと、そこから始められません。
とはいえ、材料は毎日の日誌の中にあります。日誌から前の月の姿を拾うと、書き出しの部分が埋まります。
ポイントはここです。月案は、子どもの姿から書き始めることでその月のものになります。
ここでは、何を決める計画なのか、書く順序、ねらいの立て方、そして週案への落とし方までを順に整理します。
月案とは何を決める計画か
月案は、その月の保育をどう進めるかを決める計画です。いまの姿、ねらい、手立ての3つで組み立てます。
そのうえで、3つはつながっています。いまの姿があるから、次のねらいが決まります。
- いまの姿前の月に見られた様子
- ねらい育ってほしい姿
- 手立て環境の構成と援助
最初の姿が書けないと、後の2つも決まりません。そのうえで、そこがいちばん時間のかかる部分です。
その月の保育の軸になる
日々の場面で、どう関わるかを判断します。判断の軸が無いと、その場の対応になります。
ねらいが決まっていると、日々の判断がそろいます。
そのうえで、複数の職員がいても関わり方がそろいます。
週案と日誌へ落ちていく
月案のねらいは、週案で具体化されます。週案の内容が、日々の活動になります。
そのうえで、日誌に姿が残ります。その姿が、次の月案の材料になります。
3つがつながっていると、記録が計画に返ります。
つながっていないと、それぞれが別の作業になります。
保護者への説明にも使える
その月に何をねらっているかを、保護者に伝えられます。園だよりやクラスだよりの材料になります。
そのうえで、なぜその活動をしているかが伝わります。活動の名前だけでは、意図が伝わりません。
面談の場でも、話す材料になります。
家庭での様子を聞くときの手がかりにもなります。
月案を書く順序
月案は、前の月の姿から書き始めます。そこから振り返り、ねらい、手立てへと進みます。
- 1 前の月の姿 実際に見られた様子
- 2 振り返り 前の月のねらいの結果
- 3 ねらい 次に育ってほしい姿
- 4 内容 経験してほしいこと
- 5 環境の構成 物と場と時間
- 6 援助 職員の関わり
順序を変えると、書けなくなります。そのうえで、ねらいから書き始めると去年の写しになります。
| 項目 | 書く内容 | 気をつけるところ |
|---|---|---|
| 前の月の姿 | 見られた様子 | 具体的な場面で書く |
| 振り返り | ねらいの結果 | 達成の有無だけにしない |
| ねらい | 育ってほしい姿 | 活動の名前にしない |
| 内容 | 経験してほしいこと | ねらいとつながる形 |
| 環境の構成 | 物と場と時間 | 用意するものを書く |
| 援助 | 職員の関わり | 声のかけ方や待ち方 |
| 家庭との連携 | 伝えることと聞くこと | 園だよりや面談 |
| 行事 | その月の予定 | ねらいとのつながり |
右の列が、実際に書きにくい部分です。そのうえで、上の3つが特に手が止まります。
前の月の姿を具体的に書く
「友達と関わって遊んだ」では、次につながりません。どういう場面で、どう関わったかを書きます。
そのうえで、日誌から具体的な場面を拾います。記憶で書くと、印象の強い場面だけになります。
うまくいかなかった場面も、書きます。
そこに次のねらいの手がかりがあります。
振り返りを達成の有無で終わらせない
「できた」「できなかった」だけでは、次が決まりません。どこまで進んで、何が残ったかを書きます。
残った部分を書くと、次のねらいが決まります。
そのうえで、思っていたのと違う姿が出たことも書きます。
環境と援助を分けて書く
環境は、物と場と時間の用意です。援助は、職員の関わり方になります。
そのうえで、2つを分けて書きます。まとめて書くと、どちらも具体的になりません。
環境には、何をどこに置くかを書きます。
援助には、どう声をかけ、どこで待つかを書きます。
月案のねらいをどう立てるか
月案のねらいは、いまの姿から先を見て立てます。先に活動を決めてから、ねらいを後付けする形にはしません。
- 前の月の姿を書き出したか はい次へ いいえ日誌から拾う
- その姿の先に何があるかを考えたか はい次へ いいえ発達の見通しを確かめる
- 子どもの姿の言葉で書けているか はい次へ いいえ活動の名前を外す
- 振り返れる形になっているか はい使えるねらい いいえ見る場面を決める
いまの姿から先を考え、子どもの姿の言葉で書く
上から順に進むと、その月のねらいになります。そのうえで、最後の確認で振り返れる形かを見ます。
子どもの姿の言葉で書く
「運動会の練習をする」は、活動の名前です。ねらいは、その先に育ってほしい姿になります。
そのうえで、子どもを主語にして書きます。職員を主語にすると、援助の内容になります。
「友達と力を合わせて取り組む」といった形です。
活動は、ねらいに近づくための手段になります。
数を絞る
ねらいをいくつも並べると、どれも中途半端になります。月末に振り返るときも、見きれません。
ねらいを絞ると、振り返れる形になります。
そのうえで、2つか3つに収めます。
発達の見通しを確かめる
いまの姿の先に何があるかは、発達の見通しから考えます。年齢ごとの姿を、参考にします。
そのうえで、目の前の子どもに合わせます。一般的な見通しと、実際の姿は違います。
早い子も遅い子も、同じクラスにいます。
クラス全体のねらいと、個別の配慮を分けて持ちます。
月案から週案へどう落とすか
月案と週案は、見る単位が違います。月案でねらいを決め、週案で具体化します。
月案
- 月の単位で見る
- ねらいを決める
- 発達の見通しを持つ
- 家庭との連携も
週案
- 週の単位で見る
- 環境と援助を具体化
- 天候や行事に合わせる
- 日々の活動につながる
左が土台になります。そのうえで、右がその週の実際の動きになります。
ねらいは引き継いで書き直さない
週案に別のねらいを書くと、月案とつながりません。月案のねらいを、そのまま引き継ぎます。
そのうえで、週案には具体化した内容を書きます。何を用意し、どう関わるか。
様式に、月案のねらいを写す欄を作る形もあります。
写す作業があると、意識して見ます。
環境の構成を週ごとに変える
同じ環境のまま1か月置くと、子どもの関心が薄れます。週ごとに、少しずつ変えます。
環境を週ごとに変えると、ねらいに近づきます。
そのうえで、変える理由も書いておきます。
天候と行事を織り込む
雨が続くと、予定していた活動ができません。代わりの活動を、あらかじめ考えておきます。
そのうえで、行事の週は日程が詰まります。普段より、活動の量を減らす形にします。
行事の前後で、子どもの疲れも出ます。
ゆるやかに過ごす日も、計画に入れます。
前の年の同じ月を参考にする
季節の行事や、その時期の遊びは参考になります。気候や、園の年間の流れも同じです。
そのうえで、そのまま写すことは避けます。子どもが違えば、姿も違います。
参考にするのは、環境の構成や用意するものです。
ねらいは、目の前の子どもから立てます。
月案の振り返りをどう回すか
月案は、振り返って次に返すことで回ります。振り返りには、いくつかの段があります。
上から下へ、順につながっています。そのうえで、最後まで届かないと回りません。
週の振り返りを短く行う
週の終わりに、数分でも振り返ります。ねらいに近づいたか、環境は合っていたか。
そのうえで、次の週の週案に反映します。1か月ためると、細かい部分が思い出せません。
書く欄を週案に作っておくと、その場で書けます。
長い文にせず、短く書く形にします。
月末に会議で共有する
自分のクラスだけを見ていると、視点が固まります。他の担任から見ると、別の面が見えます。
そのうえで、他のクラスの話も参考になります。同じ年齢でも、姿が違うことがあります。
会議の時間に、この場を取ります。
時間が取れないと、共有されません。
次の月案に持ち込む
振り返った内容を、次の月案の書き出しに使います。別の紙に書いて終わりだと、つながりません。
振り返りを次の月案に持ち込むと、計画が実態に合います。
そのうえで、様式に写す欄を作っておきます。
振り返りの欄と、次の月の姿の欄を並べる形もあります。
前の月の振り返りが目に入る形にします。
年度の途中で、ねらいの方向が変わることもあります。そのときは、年間の計画も見直します。
そのうえで、なぜ変えたかを残します。
月案と行事のつなぎ方
月案と行事は、別々に扱われがちです。行事にもねらいを置くと、つながります。
- 行事のねらい何を経験するか
- 準備の量子どもの負担
- 日常との関係普段の遊びとつなぐ
3つとも、行事を計画するときに考えます。そのうえで、真ん中が見落とされやすくなります。
行事にもねらいを置く
行事を行うこと自体が目的になると、準備に追われます。何を経験してほしいかを、先に決めます。
そのうえで、月案のねらいとつなげます。別のねらいを立てると、その月が2つに分かれます。
見せるための行事と、経験のための行事は違います。
どちらを重く見るかを、園として決めておきます。
準備の量を子どもの姿で判断する
練習が続くと、子どもが疲れます。遊ぶ時間が減り、他の経験が削られます。
子どもの姿で量を判断すると、無理が出ません。
そのうえで、進み具合ではなく子どもの様子で見ます。
日常の遊びとつなげる
普段の遊びから、行事の内容を組み立てます。新しいことを一から始めると、練習が要ります。
そのうえで、子どもが親しんでいる遊びを使います。無理なく取り組めます。
行事の後も、その遊びが続きます。
行事だけで終わる活動は、残りません。
複数の担任で作る
1人で計画すると、視点が偏ります。複数で作ると、気づく部分が増えます。
そのうえで、役割も分けられます。準備の分担が、先に決まります。
話し合う時間を、あらかじめ取っておきます。
時間が取れないと、1人が抱えます。
月案を書き続けられる形にする
月案は、書き続けられる形にすることが要ります。時間が取れないと、去年の写しになります。
上の2つは、日々の中でできます。そのうえで、下の2つは仕組みとして持ちます。
日誌から前の月の姿を拾う
白紙から書き出すと、手が止まります。日誌を読み返して、印象に残った場面を拾います。
そのうえで、日誌に印を付けておく形もあります。月案に使える場面に、印を付けます。
月末に読み返すとき、探しやすくなります。
日誌の書き方も、この使い方に合わせます。
写す欄を様式に作る
前の月のねらい、振り返り、次の月の姿。様式に欄があると、順に埋まります。
そのうえで、白紙の様式より書きやすくなります。何を書くかが、欄で示されます。
欄の並びも、書く順序に合わせます。
書きにくい様式は、書く時間を長くします。
会議の時間で一緒に作る
1人で持ち帰ると、時間が取れません。会議の時間の一部を、月案を作る時間にします。
そのうえで、他の担任にも相談できます。迷っている部分を、その場で聞けます。
主任や園長に見てもらう機会にもなります。
書いた後に提出して直される形より、早く進みます。
時間は、短くても構いません。30分でも、前の月の姿を出し合えます。
そのうえで、細かい部分は後で書きます。骨の部分を、その場で決めます。
年度の初めに、この時間を予定に入れておきます。
行事の多い月は、特に時間が取りにくくなります。
そのうえで、前もって作る形にします。2か月先まで、大まかに決めておく方法もあります。
新しく担任になった人には、一緒に作る時間が要ります。
書き方が分からないまま、1人で書くことになります。
月案の保管と引き継ぎ
月案は、作って終わりではありません。共有し、実施し、振り返り、引き継ぎます。
- 1 作成 会議で決める
- 2 共有 職員が読める形に
- 3 実施 週案と日誌へ
- 4 振り返り 月末に行う
- 5 綴じる 年度ごとにまとめる
- 6 引き継ぎ 次の担任へ渡す
2番目の共有が、抜けやすい部分です。そのうえで、最後の引き継ぎまで含めます。
職員が読める形にする
担任だけが持っていると、他の職員に伝わりません。補助に入る職員も、ねらいを知っている形にします。
そのうえで、置き場所を決めます。職員室のファイルか、クラスに置く形。
短くまとめたものを、掲示する方法もあります。
ねらいだけでも共有されていると、関わり方が変わります。
年度ごとに綴じる
月案、週案、日誌。年度ごとにまとめておくと、後から見返せます。
そのうえで、保存の期間を決めます。園の規程に書いておきます。
次の年の同じ月を作るときの参考にもなります。
そのまま写すのではなく、環境の構成を参考にします。
次の担任へ渡す
進級でクラスが変わると、担任も変わります。1年分の計画と記録を、次の担任へ渡します。
次の担任へ渡すと、経過が続きます。
そのうえで、口頭でも補います。書いていない部分が、どうしても残ります。
様式は月案(月間指導計画)テンプレート、週案からダウンロードできます。記録の側は保育日誌、児童票にまとめています。
よくある質問
月案は何から書き始めるのですか。
前の月の子どもの姿から書き始める形が広く使われています。ねらいから書こうとすると、一般的な言葉になりがちです。実際にどんな姿が見られたかを先に書き出すと、その先にどうなってほしいかが決まります。
週案は月案と同じ内容でよいのですか。
月案のねらいを引き継いだうえで、その週の活動と環境に落とす形になります。同じ文章を写すだけだと、週ごとの手立てが見えません。ねらいは同じで、環境の構成と援助を週ごとに具体化すると分かれます。
計画どおりに進まない日はどう扱いますか。
実際に行った内容を日誌に残し、計画との差を振り返る形になります。天候や子どもの状態で変わるのは自然なことです。差が出た理由を残しておくと、次の計画を立てるときの材料になります。