保育日誌の書き方|ねらいと子どもの姿の残し方

公開 2026年9月4日

目次8項目

その日にあったことを全部書こうとすると、勤務が終わっても終わりません。書く時間が取れず、後回しになります。

一般には、記録は絞って書くものとされています。それでも、何を残して何を落とすかの基準がないと絞れません。

とはいえ、基準はその日のねらいの中にあります。ねらいに関わる姿を先に書くと、残す部分が決まります。

ポイントはここです。保育日誌は、ねらいに対する姿に絞ることで書き続けられる記録になります

ここでは、何を残す記録なのか、書く項目、ねらいと活動の書き分け、そして指導計画とのつなぎ方までを順に整理します。

保育日誌とは何を残す記録か

保育日誌は、その日の保育を残す記録です。残す中身は、3つに分かれます。

そのうえで、3つとも書く目的が違います。行ったことの記録、姿の記録、次への手立て。

  • 何をしたか活動の内容
  • どうだったか子どもの姿
  • 次はどうするか振り返り
保育日誌は、活動・子どもの姿・振り返りの3つを残す

真ん中が、いちばん時間のかかる部分です。そのうえで、次の計画に生きるのもここになります。

指導計画と実際の保育をつなぐ

計画を立てても、実際の姿が残っていないと振り返れません。日誌が、その材料になります。

計画と記録がつながっていると、次の計画が立てられます

そのうえで、ねらいを日誌に写す形にします。

気になった子どもの様子が残る

その日は気になっただけでも、続いていることがあります。記録があると、後から気づけます。

そのうえで、体調や関わりの変化が見えます。1日だけでは分かりません。

保護者や関係機関に伝えるときの材料にもなります。

事実を、そのまま残しておきます。

引き継ぎの材料になる

担任が代わるとき、1年分の記録が渡ります。どういう経過をたどってきたかが分かります。

そのうえで、口頭では伝わらない部分が残ります。細かい場面や、途中の変化。

休んだ日の様子も、他の職員が書いた記録で分かります。

読める形にしておくことが要ります。

保育日誌に書く項目

保育日誌は、ねらいから振り返りまでを1枚で追える形にします。書く量が多いと、続きません。

  1. 1 日付とクラス 天候と人数も
  2. 2 ねらい 計画から写す
  3. 3 活動の内容 実際に行ったこと
  4. 4 子どもの姿 ねらいに対する様子
  5. 5 気になった点 個別の様子
  6. 6 振り返り 次への手立て
ねらいから振り返りまでを1枚で追える形にする

上の2つは、写すか選ぶだけで済みます。そのうえで、書くのは後半になります。

項目書く内容気をつけるところ
日付と天候年月日と天気屋外の活動の判断に関わる
出席の人数クラスの人数出席簿と突き合わせる
ねらい計画から写す活動と混ぜない
活動の内容実際に行ったこと時間の流れで書く
子どもの姿ねらいに対する様子具体的な場面で書く
気になった点個別の様子名前を書く欄を分ける
家庭への連絡伝えた内容誰に伝えたかも
振り返り次への手立て短く1行でよい

右の列が、実際に迷う部分です。そのうえで、ねらいと活動が混ざりやすくなります。

ねらいは計画から写す

日誌でねらいを考え直すと、時間がかかります。週案から、そのまま写します。

そのうえで、様式に写す欄を作っておきます。写す作業があると、意識して見ます。

週の途中で変わることは、あまりありません。

1週間、同じ内容が並びます。

子どもの姿は具体的な場面で書く

「楽しそうにしていた」では、次につながりません。どの場面で、何をしていたか。

具体的な場面で書くと、次の手立てが見えます

そのうえで、全員分は書けません。

その日のねらいに関わる場面に絞ります。

振り返りは短く書く

長く書こうとすると、手が止まります。1行で足ります。

そのうえで、次に何をするかを書きます。評価ではなく、手立てを書く形にします。

環境を変える、声のかけ方を変える、時間を延ばす。

週の振り返りで、まとめて見返します。

保育日誌のねらいと活動を書き分ける

保育日誌では、ねらいと活動を分けて書きます。混ぜると、どちらも中途半端になります。

ねらい

  • 子どもに育ってほしい姿
  • 計画から写す
  • 週や月で続く
  • 振り返りの軸になる

活動の内容

  • 実際に行ったこと
  • その日に決まる
  • 1日で完結する
  • 記録として残す
育ってほしい姿と、行ったことで分かれる

左は続くもの、右はその日のものです。そのうえで、振り返りは左に対して行います。

ねらいは子どもの姿で書く

「散歩に行く」は、活動の名前です。ねらいは、その先に育ってほしい姿になります。

そのうえで、子どもを主語にして書きます。職員を主語にすると、援助の内容になります。

活動は、ねらいに近づくための手段です。

同じねらいで、違う活動を選べます。

活動は時間の流れで書く

その日に何をしたかを、順に書きます。朝の受け入れ、活動、食事、午睡、夕方。

そのうえで、細かく書きすぎないようにします。時間割のようになると、姿が書けません。

節目だけを書く形にします。

予定と違った部分は、書いておきます。

振り返りはねらいに対して書く

活動がうまくいったかではなく、ねらいに近づいたか。その視点で振り返ります。

ねらいに対して振り返ると、次の計画に使えます

そのうえで、近づかなかった場合も書きます。

保育日誌を書く時間をどう作るか

保育日誌が書けないのは、書く人の問題ではありません。時間が取れる仕組みになっているかの問題です。

  • 書く欄を絞る 5いちばん効く
  • 選択式を増やす 4天候や人数
  • 箇条書きで残す 4後でまとめる
  • 午睡の時間に書く 3見守りも必要
  • 交代で書く時間を作る 4体制が要る
書く時間を作る工夫と、効きやすさの目安

上の2つは、様式で解決できます。そのうえで、下の2つは体制の話になります。

書く欄を年に1回見直す

使っていない欄が、そのまま残っていることがあります。年に1回、見直します。

そのうえで、書いている職員から聞きます。使っていない人が直すと、書きにくくなります。

減らす方向で、見直します。

足りない欄は、後から足せます。

その場で箇条書きに残す

夕方にまとめて書こうとすると、思い出せません。その場で、短く残します。

そのうえで、メモの用紙を持ち歩く形にします。数語でも、後から思い出せます。

書く場面で、それをまとめます。

一から思い出すより、早く済みます。

交代で書く時間を作る

午睡の時間に書く形が多くなります。見守りをしながらでは、書けません。

交代で書く時間を作ると、記録が残ります

そのうえで、時間を予定に入れておきます。

保育日誌と指導計画のつなぎ方

保育日誌は、指導計画とつながって初めて生きます。月から週へ、週から日へ落ちて、振り返りが月に戻ります。

  1. 月案のねらいが週案に落ちているか はい次へ いいえ週案に写す
  2. 週案のねらいが日誌に写されているか はい次へ いいえ日誌に写す
  3. 日誌の振り返りを週で見ているか はい次へ いいえ週の振り返りを行う
  4. 次の月案に反映しているか はい回る形になっている いいえ振り返りを持ち込む

月から週へ、週から日へ落ちて、振り返りが月に戻る

計画と記録をつなげる順序

上の2つが、落ちていく方向です。そのうえで、下の2つが戻る方向になります。

ねらいを写す形にする

日誌に別のねらいを書くと、計画とつながりません。週案のねらいを、そのまま写します。

そのうえで、様式に欄を作っておきます。写す作業があると、目に入ります。

写しているうちに、意識するようになります。

その日の判断の軸になります。

週の振り返りでまとめる

1日ずつでは、変化が見えません。週の終わりに、まとめて見返します。

そのうえで、ねらいに近づいたかを見ます。残った部分は、次の週に持ち越します。

短い時間でも、行う価値があります。

週案に、振り返りの欄を作っておきます。

月案に反映する

週の振り返りを積み上げると、月の振り返りになります。それが、次の月案の書き出しになります。

振り返りを月案に戻すと、計画が実態に合います

そのうえで、月案の様式に写す欄を作ります。

保育日誌に気になった様子を残す

保育日誌には、個別に気になった様子も残します。3つの観点で見ると、抜けにくくなります。

  • 体調食欲と機嫌と睡眠
  • 関わり友だちとのやり取り
  • 家庭送り迎えの様子
体調・関わり・家庭の3つの観点で残す

3つとも、日々の中で見えます。そのうえで、続いているかどうかは記録でしか分かりません。

体調の変化はその日に書く

食欲がない、機嫌が悪い、眠りが浅い。その日は気にならなくても、続くことがあります。

そのうえで、健康観察の記録とも並べます。朝の状態と、日中の様子。

家庭にも伝えます。

伝えた内容も、日誌に残します。

友だちとの関わりを残す

誰とどう遊んでいたか、どういうやり取りがあったか。関わりの変化が、成長として見えます。

そのうえで、うまくいかなかった場面も書きます。そこに、次の手立てがあります。

特定の子どもとの関係が、続いていることがあります。

記録を並べると、分かります。

家庭の状況が気になる場面

送り迎えの様子、持ち物、身なり。気になる場面があったとき、事実を書きます。

事実をそのまま残すと、後から経過が追えます

そのうえで、判断や推測は分けて書きます。

保育日誌を書く人と読む人をそろえる

保育日誌は、読まれて初めて働きます。書いた人だけが持っていると、そこで止まります。

働いている形

  • 置き場所が決まっている
  • 他の職員が読む
  • 気になった点が伝わる
  • 引き継ぎで使われる

止まっている形

  • 書いた人が持っている
  • 誰も読まない
  • 口頭でだけ伝える
  • 書くこと自体が目的になる
読まれるかどうかで、記録が働くかが分かれる

左は、記録が次につながる形です。そのうえで、右は書く時間が無駄になります。

置き場所を1つに決める

クラスごとに違う場所にあると、読まれません。1か所に決めます。

そのうえで、職員が見られる場所にします。職員室のファイルに、まとめて置く形があります。

個人の情報が入るので、置き場は限ります。

誰でも触れる場所には置きません。

気になった点は口頭でも伝える

書いてあっても、読まれるとは限りません。急ぐ内容は、口頭でも伝えます。

そのうえで、日誌には残します。口頭だけだと、記録に残りません。

引き継ぎのときにも、両方使います。

書いた内容を、補う形にします。

読んだことが分かる形にする

読んだ人が印を付ける形があります。誰が読んだかが、分かります。

そのうえで、主任や園長も読みます。気づいた点があれば、返します。

返す内容は、短くて構いません。

読まれていることが分かると、書く意味が見えます。

週の会議で持ち込む

日誌に書いた内容を、会議で共有します。他のクラスの担任にも、参考になります。

そのうえで、相談したい部分を持ち込みます。1人で抱えないで済みます。

同じ年齢でも、姿が違うことがあります。

比べると、見方が広がります。

書き方の例を共有する

様式を渡しても、何をどう書くか分かりません。記入の例を作っておきます。

そのうえで、実際に書かれたものを使います。架空の内容だと、書き方が伝わりません。

個人が分からない形に直して使います。

新しく入った職員に、渡します。

書く量の目安も、示しておきます。どこまで書けばよいかが、分かりません。

そのうえで、多く書けばよいわけではないことも伝えます。絞って書くほうが、読まれます。

ねらいに関わる場面に絞る、という基準を伝えます。

その基準があると、書く判断ができます。

書き始めのころは、時間がかかります。慣れると、短くなります。

そのうえで、最初のうちは一緒に書く時間を取ります。書いたものを見て、伝えます。

直すのではなく、良い部分を伝える形にします。

直されると、書くのが負担になります。

書き方が人によって違うことも、悪いことではありません。見ている部分が違うと、記録も違います。

そのうえで、そろえるのは項目と量だけにします。書き方まで統一すると、姿が消えます。

年に1回、書き方の例を見直します。

保育日誌の保管と引き継ぎ

保育日誌は、書いた後の扱いも決めます。個人の情報を含むため、保管の場所も決めておきます。

  • その日 1か月 書いて共有する
  • 週ごと 1か月 振り返りでまとめる
  • 年度ごと 12か月 綴じて保管
  • 保存の期限 60か月 自治体の定めを確かめる
日誌の扱いと保存の考え方(月数で比較)

上の2つは、日常の運用です。そのうえで、下の2つは保管の扱いになります。

書いた日誌を共有する

その日のうちに、他の職員が読める形にします。翌日の対応につながります。

そのうえで、遅番の職員にも届きます。早番が書いた内容を、遅番が読みます。

引き継ぎのときに、一緒に見る形もあります。

口頭と両方で伝わります。

個人の名前の扱いに気をつける

日誌に子どもの名前が出ます。保護者から見たいと言われることがあります。

そのうえで、他の子どもの情報が入っていないかを確かめます。見せる範囲を、決めておきます。

個別の記録を、別に持つ形もあります。

児童票と分けて扱います。

保存の年数を確かめる

保存の期間を、所管の課に確かめます。自治体によって、扱いが違うことがあります。

保存の年数を規程に書くと、廃棄で迷いません

そのうえで、綴じるファイルの表紙にも書きます。

様式は保育日誌テンプレートからダウンロードできます。計画の側は月案(月間指導計画)週案にまとめています。

よくある質問

保育日誌はどのくらいの分量を書くのですか。

園によって幅がありますが、書き続けられる量に収める形が広く使われています。すべての子どもについて文章を書くと時間が足りません。その日のねらいに対する姿と、気になった子どもの様子に絞ると続きます。

ねらいと活動の内容はどう書き分けるのですか。

ねらいは子どもに育ってほしい姿を書き、活動は実際に行ったことを書きます。ねらいの欄に活動を書いてしまうと、振り返るときに何を見ればよいのか分からなくなります。指導計画から写す形にすると分かれます。

書く時間が取れません。

午睡の時間に書く形が広く見られますが、その時間は見守りも必要になります。書く欄を絞り、記号や選択式を増やすと短時間で済みます。その日の出来事は箇条書きで残し、後でまとめる形もあります。

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