健康観察記録の書き方|朝の受け入れで見る項目
公開 2026年9月4日
目次8項目
- 1健康観察記録とは何を残す記録か
- 日中の変化に気づける
- 感染症の広がりに気づける
- 家庭との情報のやり取りになる
- 2健康観察記録で見る項目
- 記号で書ける様式にする
- 皮膚の様子を残す
- 傷やあざは家庭に確かめる
- 3健康観察記録の体温をどう扱うか
- 平熱を把握しておく
- 測る時刻を決める
- 受診をすすめる基準を決める
- 4健康観察記録で変化に気づいたときの動き
- 様子を見る場所を作る
- 保護者への連絡の基準を決める
- 経過を時刻で残す
- 5健康観察記録と家庭とのやり取り
- 連絡帳と組み合わせる
- 服薬の扱いを決めておく
- 降園のときに返す
- 6健康観察記録から感染症に気づく
- クラスごとに症状を数える
- 欠席の理由と並べて見る
- 対応の判断につなげる
- 記入の担当を時間帯で決める
- 7健康観察記録を保存と見直しにつなげる
- 保存の年数を所管の課に確かめる
- 鍵のかかる場所に保管する
- 感染症の経過を示す資料にする
- 様式を年に1回見直す
- 家庭に伝える範囲を決めておく
- 8健康観察記録を書き続けられる形にする
- 受け入れの場所に置く
- 受け入れる人が書く
- 空欄を月ごとに確かめる
朝の受け入れは、保護者への対応と子どもの受け入れが同時に来ます。その中で記録の用紙に文章を書くのは、現実的ではありません。
一般には、その場で書く形が求められています。それでも、書く量が多ければ後回しになります。
とはいえ、見た内容の多くは記号で足ります。記号で書ける様式にすると、受け入れながら書けます。
ポイントはここです。健康観察記録は、受け入れの場で書ける形にすることで変化に気づける記録になります。
ここでは、何を残す記録なのか、見る項目、体温の扱い、そして感染症への気づき方までを順に整理します。
健康観察記録とは何を残す記録か
健康観察記録は、朝の受け入れのときの子どもの状態を残す記録です。残す中身は、3つに分かれます。
そのうえで、3つは情報の出どころが違います。自分で見たもの、測ったもの、家庭から聞いたもの。
- 見た様子顔色と機嫌と皮膚
- 測った値体温
- 聞いた情報家庭からの様子
3つがそろうと、その日の状態が見えます。そのうえで、日中の変化と比べる元になります。
日中の変化に気づける
昼になって様子がおかしいとき、朝はどうだったか。記録があると、比べられます。
朝の状態が残っていると、日中の変化に気づけます。
そのうえで、朝から続いていることか、日中に起きたことかが分かります。
保護者に伝えるときにも、この違いが要ります。
感染症の広がりに気づける
同じ症状が、クラスの中で増えていることがあります。1人ずつ見ていると、気づきません。
そのうえで、記録を並べると分かります。発熱、嘔吐、下痢、発疹。
早く気づけば、対応も早くなります。
週ごとに数える形にします。
家庭との情報のやり取りになる
前の晩の様子、朝の食事、家庭で測った体温。家庭から受け取る情報が、判断の材料になります。
そのうえで、園から返す情報もあります。日中の様子、食事、午睡、排便。
生活が、家庭と園でつながります。
連絡帳と組み合わせる形にします。
健康観察記録で見る項目
健康観察記録では、顔から家庭の情報までを順に見ます。見る順序を決めておくと、抜けません。
- 1 顔を見る 顔色と目の様子
- 2 機嫌を見る 受け入れのときの様子
- 3 皮膚を見る 発疹や傷
- 4 体温を確かめる 測るか受け取る
- 5 家庭から聞く 前の晩と朝の様子
- 6 記号で書く その場で記入
上の3つは、見れば分かる部分です。そのうえで、最後の記入までを1つの動作にします。
| 見る項目 | 確かめること | 気づいたときの動き |
|---|---|---|
| 顔色 | 色と目の様子 | 体温を測る |
| 機嫌 | 泣き方や活気 | 様子を見る時間を作る |
| 皮膚 | 発疹や傷 | 部位と状態を残す |
| 体温 | 値と平熱との差 | 園の基準で判断 |
| 食欲 | 朝の食事の様子 | 昼の食事で確かめる |
| 排便 | 有無と状態 | 家庭に伝える |
| 咳と鼻 | 音と量 | 続くか見る |
| 傷やあざ | 部位と経過 | 家庭に確かめる |
右の列が、気づいたときの動きです。そのうえで、見るだけで終わらせない形にします。
記号で書ける様式にする
文章で書く形だと、時間がかかります。丸や三角で足りる項目が多くあります。
そのうえで、記号の意味を様式に印刷します。慣れていない職員でも、その場で分かります。
書ききれない内容は、備考の欄に書きます。
短く書ける形にしておきます。
皮膚の様子を残す
発疹や傷は、部位と広がりが後で問われます。どこに、どのくらいの範囲か。
部位と広がりを残すと、経過が追えます。
そのうえで、体の図を印刷して印を付ける形もあります。
傷やあざは家庭に確かめる
登園のときにあった傷は、家庭でついたものです。その場で確かめて、記録に残します。
そのうえで、確かめずにいると園でついたことになります。帰りに保護者から聞かれたとき、答えられません。
聞き方も、決めておきます。
責める形にならない伝え方にします。
健康観察記録の体温をどう扱うか
健康観察記録の中で、体温の扱いは園によって分かれます。どこまで測るかを、先に決めます。
上の3つを、組み合わせる形が多くなります。そのうえで、園の人数と体制で決めます。
平熱を把握しておく
同じ37度でも、子どもによって意味が違います。普段の体温が、人によって違います。
平熱を把握しておくと、値の意味が分かります。
そのうえで、入園のときに家庭から聞いておきます。
測る時刻を決める
体温は、時刻によって変わります。朝と午後では、違う値が出ます。
そのうえで、測る時刻を決めておきます。比べられる形になります。
午睡の後は、高くなりやすくなります。
その前提で、値を見ます。
受診をすすめる基準を決める
何度を超えたら保護者に連絡するか。基準を決めておきます。
そのうえで、体温だけで判断しない形にします。機嫌や食欲も、あわせて見ます。
熱が高くなくても、様子がおかしいことがあります。
判断の材料を、複数持ちます。
健康観察記録で変化に気づいたときの動き
健康観察記録で変化に気づいたら、順に進めます。記録に残すところまでが、1つの対応になります。
- 体温を測ったか はい次へ いいえ測る
- 園の基準に当てはまるか はい保護者に連絡する いいえ次へ
- 機嫌と食欲に変化があるか はい様子を見る場所を作る いいえ次へ
- 記録に残したか はい対応が閉じた形 いいえ時刻と様子を書く
測ってから基準に当てはめ、記録に残すところまで進める
上から順に進むと、判断が早くなります。そのうえで、最後の記録まで含めます。
様子を見る場所を作る
体調がすぐれない子どもを、他の子どもと離せる場所を用意します。静かに休める場所が要ります。
そのうえで、見る人も決めます。1人で寝かせておくことはできません。
保護者が迎えに来るまでの時間があります。
その間の体制を、決めておきます。
保護者への連絡の基準を決める
いつ連絡するかを、決めておきます。その場で考えると、判断が遅れます。
連絡の基準を決めておくと、判断が遅れません。
そのうえで、迷ったら連絡する形にします。
経過を時刻で残す
何時に測って、何度だったか。その後どうなったか。
そのうえで、時刻を入れて残します。保護者に伝えるときの材料になります。
行った対応も、あわせて書きます。
受診が必要になった場合の資料にもなります。
健康観察記録と家庭とのやり取り
健康観察記録は、家庭とのやり取りの一部になります。受け取る情報と、返す情報があります。
家庭から受け取る
- 前の晩の様子
- 朝の食事と排便
- 家庭で測った体温
- 通院や服薬の情報
園から返す
- 日中の様子
- 食事と午睡
- 排便の有無
- 気になった点
左は朝に受け取ります。そのうえで、右は降園のときに返します。
連絡帳と組み合わせる
家庭からの情報は、連絡帳に書かれています。健康観察記録に写す欄を作ると、まとまります。
そのうえで、口頭で聞いた内容も書きます。連絡帳に書かれていないことがあります。
受け入れの場で聞いた内容が、いちばん新しい情報です。
写す作業を、受け入れの流れに入れます。
服薬の扱いを決めておく
園で薬を預かるかどうか、預かる場合の手続き。決めておかないと、その場で判断することになります。
服薬の扱いを決めておくと、その場で迷いません。
そのうえで、書面で受け取る形にします。
降園のときに返す
日中の様子を、保護者に伝えます。気になった点があれば、その場で話します。
そのうえで、連絡帳にも書きます。迎えの人が保護者と違うことがあります。
朝に聞いた内容への答えも、返します。
気にしていたことが、どうなったか。
健康観察記録から感染症に気づく
健康観察記録は、まとめて見ると感染症の広がりが分かります。見る幅によって、分かることが変わります。
短い幅では個別、長い幅では傾向が見えます。そのうえで、週ごとが実際に効きます。
クラスごとに症状を数える
同じ症状が、クラスの中で何人出ているか。数えると、広がりが分かります。
症状を数えると、広がりに気づけます。
そのうえで、記号で書いておくと数えやすくなります。
欠席の理由と並べて見る
休んでいる子どもの理由も、あわせて見ます。園にいる子どもだけでは、全体が見えません。
そのうえで、出席簿に理由の欄を作ります。家庭からの連絡を、そのまま書きます。
休んでいる子どもに、同じ症状が集まっていることがあります。
数を合わせて見ると、状況が分かります。
対応の判断につなげる
一定の数を超えたら、消毒を強めるか、保護者に知らせるか。判断の基準を、決めておきます。
そのうえで、報告が要る場面もあります。所管の課に確かめておきます。
記録が、その判断の根拠になります。
数えていないと、判断ができません。
記入の担当を時間帯で決める
受け入れの時間帯は、担当が入れ替わります。早番の職員が受け入れ、担任が後から入ります。
そのうえで、誰が書くかを決めておきます。決めていないと、書かれないまま終わります。
受け入れた人が書く形が、いちばん確実です。
見た人が書くと、内容が正確になります。
書いた人の名前も、残します。
後から確かめるとき、誰に聞けばよいかが分かります。
そのうえで、担任への引き継ぎも決めます。朝の情報が、担任に伝わっていないことがあります。
記録を見れば分かる形にしておきます。
口頭だけだと、伝わらない部分が出ます。
健康観察記録を保存と見直しにつなげる
健康観察記録は、子どもの健康に関する情報を含みます。保管の方法と場所を、決めておきます。
上の3つは、綴じ方の話です。そのうえで、置き場所も決めておきます。
保存の年数を所管の課に確かめる
保存の期間は、自治体によって扱いが違うことがあります。所管の課に確かめます。
そのうえで、園の規程に書いておきます。決めていないと、判断がその都度になります。
綴じるファイルの表紙に、期限を書きます。
見た人がすぐ分かる形にします。
鍵のかかる場所に保管する
子どもの健康に関する情報が入っています。誰でも見られる場所には置きません。
そのうえで、日中は使う場所に置きます。夜は、鍵のかかる場所に移します。
移す担当も、決めておきます。
その日の最後の職員が行う形にします。
感染症の経過を示す資料にする
感染症が広がったとき、経過を示す資料になります。いつから、どのクラスで、何人出たか。
そのうえで、報告のときにも使えます。その場で作ると、時間がかかります。
日ごろの記録が、そのまま材料になります。
まとめやすい形にしておきます。
様式を年に1回見直す
書きにくい欄、使っていない欄が出てきます。年に1回、見直します。
そのうえで、実際に書いている職員から聞きます。使っていない人が直すと、書きにくくなります。
項目が多すぎると、書かれなくなります。
減らす方向で、見直します。
家庭に伝える範囲を決めておく
保護者から記録を見たいと言われることがあります。どこまで見せるかを、決めておきます。
そのうえで、他の子どもの情報が入っていないかを確かめます。同じ用紙に複数の子どもが書かれていることがあります。
個人ごとに分ける形にする方法もあります。
見せる場面を考えて、様式を決めます。
健康観察記録を書き続けられる形にする
健康観察記録は、続けられる形にすることが要ります。書けない理由は、仕組みの側にあります。
- 1 置き場所 受け入れの場所に置く
- 2 書く量 記号で足りる形にする
- 3 担当 受け入れる人が書く
- 4 写す欄 連絡帳から写す
- 5 確かめる 空欄を月ごとに見る
上の2つが、いちばん大きく効きます。そのうえで、最後の確認で様式の問題が見つかります。
受け入れの場所に置く
事務室に置くと、後から書くことになります。受け入れる場所に置きます。
そのうえで、書く道具も一緒に置きます。探す時間があると、後回しになります。
立ったまま書ける形にすると、その場で書けます。
ボードに挟んでおく方法もあります。
受け入れる人が書く
見た人と書く人が違うと、内容が薄くなります。受け入れた人が、その場で書きます。
そのうえで、担当が交代する時間も決めます。早番から担任へ、いつ引き継ぐか。
引き継ぐときに、気になる子どもを伝えます。
記録を見れば分かる形にもしておきます。
空欄を月ごとに確かめる
書かれていない欄が、月にどれだけあるか。数えると、状況が分かります。
空欄を確かめると、様式の問題が見つかります。
そのうえで、特定の項目だけ空いていることがあります。
書きにくい項目か、必要のない項目です。
そのうえで、様式を直します。書けないまま置いておくと、記録として使えません。
責める形にすると、後から埋められます。
実態が見えなくなります。
様式は健康観察記録テンプレートからダウンロードできます。午睡は午睡チェック表、感染症は感染症対応マニュアルにまとめています。
よくある質問
朝の受け入れで何を見るのですか。
顔色や機嫌、体温、皮膚の様子を見る形が広く使われています。あわせて家庭からの情報を受け取ります。前の晩の様子や朝の食事、排便の有無を聞いておくと、日中の変化に気づきやすくなります。
体温は毎日測るのですか。
園の方針によって変わります。全員を毎日測る園と、気になる子どもだけ測る園があります。家庭で測ってきた値を連絡帳で受け取る形もあります。どちらにするかを決めて、保護者に伝えておくと運用がそろいます。
受診をすすめる目安はありますか。
園で基準を決めておく形が広く使われています。体温の値や、機嫌と食欲の様子を組み合わせて判断します。感染症が疑われる場面の扱いは、国のガイドラインや自治体の指導に沿って決めておくと迷いません。