保育園の感染症対応|登園のめやすとお知らせ

公開 2026年9月4日

目次8項目

保護者から「いつから登園できますか」と聞かれて、その場で調べ始める。答えが出るまで、待ってもらうことになります。

一般には、感染症ごとに登園のめやすが示されています。それでも、種類が多いので覚えきれません。

とはいえ、調べる場所は決まっています。一覧にして貼っておくと、聞かれたその場で答えられます。

ポイントはここです。保育園の感染症対応は、平時に書面をそろえておくことで初動が早くなります

ここでは、決めておくこと、マニュアルの項目、嘔吐物の処理、そしてお知らせの書き方までを順に整理します。

保育園の感染症対応で決めておくこと

保育園の感染症対応では、3つのことを平時に決めます。入れない、広げない、知らせる。

そのうえで、3つとも書面にしておきます。起きてから考えると、間に合いません。

  • 入れない登園のめやすと書面
  • 広げない消毒と処理の方法
  • 知らせるお知らせと報告
入れない・広げない・知らせるの3つを決めておく

3つとも、別の書面になります。そのうえで、1つにまとめて持つ形もあります。

判断がそろう

同じ症状でも、担当によって判断が変わることがあります。登園できるかどうか、受診を勧めるかどうか。

書面があると、判断が担当で変わりません

そのうえで、保護者にも同じ説明ができます。

初動が早くなる

嘔吐があったとき、何をどの順で行うか。その場で考えると、時間がかかります。

そのうえで、その間に広がることがあります。手順が決まっていれば、すぐ動けます。

用品の場所も、決めておきます。

探す時間が、いちばん長くなります。

保護者に伝えやすくなる

書面があると、それを示して説明できます。園の判断ではなく、示されている基準だと伝わります。

そのうえで、入園のときに渡しておきます。先に知っていると、その場で納得されやすくなります。

登園のめやすは、特に伝えておきます。

急に休むことになる場面が出ます。

保育園の感染症対応マニュアルに書く項目

保育園の感染症対応マニュアルは、登園のめやすから報告までをまとめます。1つの書面にしておくと、探さずに済みます。

  1. 1 登園のめやす 感染症ごとに一覧
  2. 2 求める書面 意見書か登園届か
  3. 3 発生時の動き 誰が何をするか
  4. 4 消毒の方法 場所ごとの薬剤と濃度
  5. 5 嘔吐物の処理 手順と用品の場所
  6. 6 お知らせと報告 出す相手と時期
登園のめやすから報告までを1つの書面にまとめる

前半は判断のための部分です。そのうえで、後半は実際に動く部分になります。

項目書く内容確認先
登園のめやす感染症ごとの期間国のガイドライン
求める書面意見書・登園届ガイドラインと自治体
発生時の動き役割と連絡園で決める
消毒の方法薬剤と濃度と場所ガイドライン
嘔吐物の処理手順と用品ガイドライン
お知らせ出す範囲と内容園で決める
報告自治体や保健所所管の課

右の列が、内容を確かめる先です。そのうえで、園で決める部分と示されている部分を分けます。

登園のめやすを一覧にする

感染症ごとに、いつから登園できるかが示されています。種類が多いので、一覧にします。

一覧にして貼っておくと、その場で答えられます

そのうえで、事務室と保育室の両方に置きます。

求める書面を決めておく

医師の意見書が要るものと、保護者が書く登園届で足りるものがあります。感染症ごとに、どちらかを決めます。

そのうえで、自治体の扱いも確かめます。示されている内容と違うことがあります。

様式も、あらかじめ用意しておきます。

保護者に渡せる形にしておきます。

消毒の方法を場所ごとに書く

トイレ、テーブル、おもちゃ、床。場所によって、使う薬剤と濃度が変わります。

そのうえで、作り方も書いておきます。その場で計算すると、間違えます。

薄める割合を、表にしておきます。

作る場所に、貼っておきます。

保育園の嘔吐物の処理をどう決めるか

保育園では、嘔吐物の処理が最も広がりに関わります。用品と手順を、先にそろえておきます。

  1. 用品を1か所にまとめているか はい次へ いいえセットを作る
  2. 手順を1枚にして貼っているか はい次へ いいえ手順書を作る
  3. 他の子どもを離す動きを決めたか はい次へ いいえ役割を決める
  4. 訓練で確かめたか はい動ける形 いいえ一度やってみる

用品と手順を先にそろえて、訓練で確かめる

嘔吐物の処理を決める順序

上の2つが、そろえておく部分です。そのうえで、下の2つが動きの部分になります。

用品をセットにしておく

手袋、マスク、エプロン、ペーパー、袋、消毒液。別々の場所にあると、集めるのに時間がかかります。

用品をセットにすると、探す時間がなくなります

そのうえで、複数の場所に置いておきます。

手順を1枚にして貼る

順序を間違えると、広がります。1枚にまとめて、セットに入れておきます。

そのうえで、絵で示す形にします。文字だけだと、その場で読めません。

慣れていない職員でも、見れば動けます。

使った後は、補充します。

他の子どもを離す役を決める

処理をする人と、他の子どもを見る人を分けます。1人では、両方できません。

そのうえで、離す場所も決めておきます。別の部屋か、離れた場所か。

換気も、あわせて行います。

窓を開ける役も、決めておきます。

保育園の感染症発生のお知らせをどう書くか

保育園では、感染症が出たときに保護者へ知らせます。書く内容と、書かない内容を分けます。

  • 感染症の名前 5症状も添える
  • 発生した人数 5個人が分からない形で
  • 園で行う対応 5消毒や観察
  • 家庭でのお願い 5受診や登園の判断
  • 登園のめやす 2再掲する
お知らせに書く内容。上の4つが伝える中心になる

上の4つが、伝える中心になります。そのうえで、登園のめやすも再掲すると問い合わせが減ります。

個人が分からない書き方にする

クラス名と人数を書くと、特定されることがあります。人数の少ないクラスでは、特に注意します。

個人が分からない書き方にすると、後で問題になりません

そのうえで、出す前に複数の目で確かめます。

家庭でのお願いを具体的に書く

「気をつけてください」だけでは、何をすればよいか分かりません。具体的に書きます。

そのうえで、症状が出たときの動きも書きます。受診するか、園に連絡するか。

登園を控える判断の目安も示します。

家庭で判断できる形にします。

出す範囲を決めておく

そのクラスだけか、園全体か。感染症の種類と、広がりで判断します。

そのうえで、判断の基準を決めておきます。その場で考えると、遅れます。

出す時期も決めます。

早いほど、家庭で備えられます。

保育園の感染症で報告が必要になる場面

保育園では、一定の場合に自治体や保健所への報告が要ります。園内で対応する場面とは、分けて考えます。

園内で対応する場面

  • 数が少ない
  • 通常の消毒と観察
  • お知らせで伝える
  • 記録に残す

報告が関わる場面

  • 同じ症状が複数出る
  • 重い症状が出る
  • 自治体や保健所に連絡
  • 指示を受けて動く
数と症状の重さで、報告が関わるかが分かれる

左は日常の対応です。そのうえで、右は外との連絡が入ります。

報告の基準を平時に確かめる

どういう場合に報告が要るかを、所管の課に確かめます。自治体によって、扱いが違うことがあります。

報告の基準を平時に確かめると、その場で迷いません

そのうえで、書面にして手元に置きます。

連絡先を1枚にまとめる

自治体の所管の課、保健所、嘱託医。連絡先を1枚にまとめておきます。

そのうえで、時間外の連絡先も書いておきます。夜間や休日に判断が要る場面があります。

電話のそばに、貼っておきます。

その場で調べなくて済む形にします。

指示を受けた内容を残す

連絡して受けた指示を、記録に残します。いつ、誰に、何を聞いて、どう答えられたか。

そのうえで、園内で共有します。指示を受けた人だけが知っている状態にしません。

後から、同じ場面で参考になります。

判断の記録として、残しておきます。

保育園の感染症対応と日々の記録のつなぎ方

保育園の感染症は、日々の記録から広がりに気づけます。1件ずつでは分からないことが、数えると見えます。

  • 朝の受け入れ 1日 健康観察記録
  • 日中の様子 1日 保育日誌
  • 欠席の理由 1日 出席簿
  • 週ごとの傾向 7日 症状を数える
記録から広がりに気づくまでの幅(日数で比較・上の3つは同じ日の記録)

上の3つは、その日の記録です。そのうえで、いちばん下でまとめて見ます。

欠席の理由を数える

欠席の数だけを見ていると、理由が分かりません。理由も記録しておきます。

そのうえで、同じ症状での欠席が増えていないかを見ます。クラスをまたいで広がっていることがあります。

出席簿に、理由の欄を作ります。

家庭からの連絡を、そのまま書きます。

症状ごとに数える

発熱、嘔吐、下痢、発疹。症状ごとに数えると、傾向が見えます。

症状ごとに数えると、広がりに気づけます

そのうえで、週ごとにまとめて見る形にします。

衛生管理の記録とあわせて見る

感染症が出た時期に、消毒が抜けていないか。衛生管理の記録と並べて見ます。

そのうえで、手洗いや消毒の周期を確かめます。抜けていた場所が、見つかることがあります。

原因が分かるとは限りません。

それでも、確かめる価値はあります。

保育園の感染症対応で日々の衛生を保つ

保育園の感染症対応は、発生してからだけではありません。日々の衛生が、広がりを抑えます。

  • 手洗い 5子どもと職員
  • おもちゃの消毒 5口に入る年齢
  • トイレとおむつ 5交換の場所
  • テーブルと床 2食事の前後
  • タオルと寝具 2共用しない
日々の衛生の作業。上の3つが特に効く

上の3つが、特に効きます。そのうえで、どれも毎日の作業になります。

手洗いの場面を決める

いつ洗うかを決めておきます。外から戻ったとき、食事の前、トイレの後。

そのうえで、職員の手洗いも決めます。おむつの交換の前後、食事の準備の前。

洗い方も、伝えておきます。

洗い残しやすい場所があります。

おもちゃの消毒の周期を決める

口に入れる年齢のおもちゃは、頻繁に消毒します。毎日か、使うたびか。

そのうえで、素材によって方法を変えます。洗えるもの、拭くもの、日に当てるもの。

消毒したものと、していないものを分けます。

置き場を分ける形にします。

おむつ交換の場所を決める

食事をする場所と、離します。交換のたびに、その場所を消毒します。

そのうえで、使い捨ての敷物を使う形もあります。1人ごとに替えます。

手袋の扱いも、決めておきます。

交換のたびに替えます。

共用するものを見直す

タオル、コップ、寝具。共用しているものが無いかを確かめます。

そのうえで、個人のものにします。印を付けて、分かる形にします。

置き場も、離します。

隣どうしが触れないようにします。

記録に残して抜けを見る

行った作業を、記録に残します。記録が無いと、抜けに気づけません。

そのうえで、月ごとに抜けを確かめます。同じ場所が続けて抜けていることがあります。

理由を確かめると、次の手が決まります。

時間が足りない、担当が不在。

そのうえで、周期のほうを見直す場合もあります。実態に合っていない周期は、守られません。

責める形にすると、後から埋められます。

保育園の感染症対応を職員に届ける

保育園の感染症対応は、書面を作って終わりではありません。届けて、訓練して、見直します。

  1. 1 書面を作る 平時にそろえる
  2. 2 場所ごとに貼る 手順と用品の場所
  3. 3 配置時に渡す 担当する部分
  4. 4 訓練で確かめる 嘔吐物の処理など
  5. 5 年に1回見直す ガイドラインの確認
書面から訓練と見直しまでを1つの流れにする

途中の訓練が、いちばん省かれます。そのうえで、そこを行うと動きが変わります。

手順をその場所に貼る

嘔吐物の処理の手順は、用品のセットに。消毒液の作り方は、作る場所に。

そのうえで、絵と短い言葉で書きます。その場で読める形にします。

汚れたら、替えます。

読めなくなっていることがあります。

訓練で処理をやってみる

手順を読んだだけでは、動けません。一度やってみると、分かります。

そのうえで、用品の場所も覚えます。どこに何があるかが、体で分かります。

新しく入った職員には、特に必要です。

年に1回、全員で行う形にします。

年に1回ガイドラインを確かめる

登園のめやすや、消毒の方法が変わることがあります。年に1回、確かめます。

年に1回確かめると、古い運用が残りません

そのうえで、変わった部分を職員に伝えます。

掲示の内容を季節で入れ替える

流行する感染症は、季節によって変わります。その時期に多いものを、前に出します。

そのうえで、家庭向けの掲示も入れ替えます。その時期に気をつけることを伝えます。

掲示する場所も、決めておきます。

保護者の目に入る場所を選びます。

保護者への伝え方を決めておく

日ごろから伝えておくと、発生したときに動きやすくなります。登園のめやす、家庭でのお願い。

そのうえで、入園のときに渡します。年度の初めにも、配り直します。

園だよりに、季節ごとに書く形もあります。

その時期に流行するものを、先に伝えます。

発生したときのお知らせも、様式を用意しておきます。その場で作ると、時間がかかります。

そのうえで、書く内容を決めておきます。感染症の名前を入れ替えるだけで済む形にします。

出す相手と時期も、あらかじめ決めておきます。

配る方法も、複数持ちます。

そのうえで、紙で配れない場合の手段も決めます。休みの家庭には、届きません。

様式は感染症対応マニュアルテンプレート感染症発生のお知らせからダウンロードできます。記録は健康観察記録衛生管理チェック表にまとめています。

よくある質問

登園のめやすはどこで確かめるのですか。

国の「保育所における感染症対策ガイドライン」に、感染症ごとの登園のめやすが示されています。自治体が独自の指導を加えている場合もあるため、所管の課にも確かめる形が確実です。園の書面に写しておくと運用がそろいます。

医師の書面は必要ですか。

感染症の種類によって、意見書や登園届を求める扱いが示されています。園がどの書面を求めるかを決めて、保護者に伝えておく形になります。求める書面と対象の感染症を一覧にしておくと、その場で迷いません。

発生のお知らせはどこまで書くのですか。

感染症の名前と発生した人数、園で行っている対応、家庭でお願いしたいことを書く形が広く使われています。個人が分かる書き方は避けます。クラス名を書くかどうかは、園の規模を考えて決めます。

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