保育園のアレルギー対応|確認表と誤食の防止
公開 2026年9月4日
目次8項目
- 1保育園のアレルギー対応で決めておくこと
- 除去の範囲がそろう
- 職員全員が同じ動きをする
- 家庭との認識がそろう
- 2保育園のアレルギー対応の書面をどう扱うか
- 入園の面談で聞く
- 対応できる範囲を伝える
- 年に1回見直す
- 3保育園のアレルギー対応確認表の作り方
- 写真を入れる
- 確認の欄を2回置く
- 緊急時の動きを同じ表に書く
- 4保育園の誤食をどう防ぐか
- トレイと食器を色で分ける
- 名札を付ける
- 配膳の順序と席を決める
- 行事の食事も同じ仕組みで行う
- 5保育園のアレルギーで症状が出たときの動き
- 症状ごとの動きを書く
- 薬の扱いを保護者と医師に確かめる
- 訓練で動きを確かめる
- 6保育園のアレルギー対応と家庭とのやり取り
- 献立を事前に渡して確かめてもらう
- 食べた量と様子を伝える
- 家庭からの持ち込みの扱いを決める
- 7保育園のアレルギー対応を調理の流れで確かめる
- 献立を原材料まで確かめる
- 除去食を先に作る
- 器具と場所を分ける
- 調理側でも確認の印を付ける
- 少人数の調理でも仕組みを外さない
- 8保育園のアレルギー対応を職員に届ける
- 給食の場所に掲示する
- 配置が決まったときに渡す
- 年に1回読み合わせる
- 対象の子どもが増えたときの体制を決める
- 卒園と進級のときに引き継ぐ
保護者から「卵は少しなら大丈夫です」と聞いて、その範囲で対応する。別の職員は「卵は全部除く」と聞いている。
一般には、口頭のやり取りだけでは範囲が固まりません。話す相手や時期によって、伝わる内容が変わります。
とはいえ、園の側で範囲を判断することもできません。医師が記入した書面をもとにすると、誰が見ても同じ範囲になります。
ポイントはここです。保育園のアレルギー対応は、医師の記入する書面をもとに決めることで範囲がそろいます。
ここでは、決めておくこと、書面の扱い、確認表の作り方、そして誤食を防ぐ仕組みまでを順に整理します。
保育園のアレルギー対応で決めておくこと
保育園のアレルギー対応では、3つのことを先に決めます。何を除くか、どう分けるか、起きたらどうするか。
そのうえで、3つとも書面にします。決めたことが人の記憶にしかないと、伝わりません。
- 何を除くか医師の書面で決める
- どう分けるか調理と配膳の流れ
- 起きたらどうするか症状が出たときの動き
3つとも、そろっていないと防げません。そのうえで、最初の範囲が決まらないと他も決まりません。
除去の範囲がそろう
「少しなら大丈夫」の少しが、人によって違います。量や調理の形で、判断が分かれます。
医師の書面をもとにすると、範囲がそろいます。
そのうえで、書面に書かれていない部分は園で判断しません。
職員全員が同じ動きをする
担任だけが知っている状態だと、休んだ日に困ります。入れ替わりで入る職員も、同じ動きが要ります。
そのうえで、確認表を全員が見られる場所に置きます。掲示か、給食の場所に置く形です。
新しく入った職員にも、配置のときに伝えます。
対象になる子どもが複数いる場合は、特に混ざりやすくなります。
家庭との認識がそろう
園でどこまで対応できるかを、先に伝えます。すべての除去に応じられるとは限りません。
そのうえで、対応できない部分は弁当を持参してもらう形もあります。先に伝えておかないと、入園してから食い違います。
献立を事前に渡して、確かめてもらう形にします。
家庭での様子も、聞いておきます。食べられるようになった食品が出てくることがあります。
保育園のアレルギー対応の書面をどう扱うか
保育園のアレルギー対応は、保護者からの申し出から始まります。そこから、書面と面談を経て確認表に落とします。
- 1 保護者からの申し出 入園の面談で聞く
- 2 書面の依頼 生活管理指導表を渡す
- 3 医師の記入 除去の範囲と緊急時
- 4 園での面談 対応できる範囲を伝える
- 5 確認表の作成 日々の配膳に落とす
- 6 定期の見直し 年に1回か指示による
途中の面談が、いちばん大事になります。そのうえで、最後の見直しまで含めて1つの流れです。
入園の面談で聞く
入園のときの面談で、アレルギーの有無を聞きます。聞く項目を決めておくと、抜けません。
そのうえで、家庭での様子も聞きます。どういう症状が、どのくらいの量で出たか。
過去に受診したことがあるかも確かめます。
書面が必要になることも、この場で伝えます。医師に記入してもらうまで、時間がかかります。
対応できる範囲を伝える
書面を受け取ったら、園で対応できるかを確かめます。調理の設備や、職員の体制によります。
対応できる範囲を伝えると、後の食い違いが減ります。
そのうえで、対応できない部分の扱いも一緒に決めます。
年に1回見直す
子どもの状態は、変わります。食べられるようになる食品が出てきます。
そのうえで、年に1回は書面を新しくしてもらいます。古い書面のままだと、必要のない除去が続きます。
医師から指示があった場合は、その都度見直します。
見直しの時期を決めておくと、忘れません。進級の時期に合わせる形が多くなります。
保育園のアレルギー対応確認表の作り方
保育園のアレルギー対応確認表は、日々の配膳で使う表です。医師の書面から、必要な情報を落とします。
どれも外せない項目です。そのうえで、確認の欄が実際に使われる部分になります。
写真を入れる
名前だけでは、慣れていない職員には分かりません。写真があると、その場で確かめられます。
そのうえで、進級のときに写真を新しくします。古い写真のままだと、分かりにくくなります。
複数の子どもがいる場合は、特に効きます。
同じ名字の子どもがいることもあります。
確認の欄を2回置く
調理のときと、配膳のときの2回。どちらかで気づけば、止まります。
確認を2回置くと、片方で止まります。
そのうえで、確認した人の名前も書きます。誰が見たかが分かる形にします。
緊急時の動きを同じ表に書く
症状が出たときの動きを、別の書類に書いていると探すことになります。確認表と同じ場所に書いておきます。
そのうえで、症状ごとに何をするかを書きます。軽い症状のときと、重い症状のとき。
連絡先も、同じ表に書きます。
保護者、かかりつけの医療機関、救急。その場で調べなくて済む形にします。
保育園の誤食をどう防ぐか
保育園の誤食は、確認だけでは防ぎきれません。物の側で分ける仕組みを、あわせて作ります。
- トレイや食器を分けているか はい次へ いいえ色や形で分ける
- 名札を付けているか はい次へ いいえ名札を付ける
- 配膳の順序を決めているか はい次へ いいえ先に配る形にする
- 席の配置を決めているか はい防げる形 いいえ職員が近くに座る
物で分けて、順序と席まで決める
上の2つが、物で分ける工夫です。そのうえで、下の2つが場面での工夫になります。
トレイと食器を色で分ける
同じ食器を使っていると、見ただけでは区別できません。色や形を変えます。
色で分けると、見た瞬間に分かります。
そのうえで、色の意味を全員が知っている形にします。
名札を付ける
トレイに名札を付けます。誰のものかが、その場で分かります。
そのうえで、除去する食品も名札に書きます。「卵除去」と書いてあれば、確かめられます。
札は、外れにくい形にします。
配膳の途中で外れると、分からなくなります。
配膳の順序と席を決める
除去食を先に配ると、他と混ざりません。後から配ると、間違えて渡すことがあります。
そのうえで、席の配置も決めます。隣の子どもの食器から、手が伸びることがあります。
職員が近くに座る形にします。
食べ終わった後の食器の片付けでも、混ざる場面があります。
行事の食事も同じ仕組みで行う
普段と違う食事のとき、仕組みが外れがちになります。遠足の弁当、誕生会のおやつ、行事の特別な献立。
そのうえで、普段と同じ仕組みで進めます。確認表を持っていく、名札を付ける。
外部から届く食事も、原材料を確かめます。
保護者に持参してもらう場合は、その旨を先に伝えます。
保育園のアレルギーで症状が出たときの動き
保育園でアレルギーの症状が出たとき、判断に時間をかけられません。決めておくかどうかで、動きが変わります。
決めておくこと
- 症状ごとの動き
- 誰がそばにいるか
- 誰が救急に連絡するか
- 薬の扱いと保管
決めていないと起きること
- 判断が遅れる
- 全員が集まる
- 連絡が遅れる
- 薬が見つからない
左は事前に決められることです。そのうえで、右は決めていないときに実際に起きます。
症状ごとの動きを書く
どういう症状が出たら、何をするか。書いておくと、その場で判断しなくて済みます。
そのうえで、症状の段階ごとに分けます。口の周りが赤い、じんましんが出た、呼吸が苦しい。
段階によって、動きが変わります。
他の子どもをどうするかも、決めておきます。その場に残す人と、対応する人を分けます。
薬の扱いを保護者と医師に確かめる
園で薬を預かる場合、扱いを決めます。どこに保管するか、誰が使えるか、いつ使うか。
薬の扱いを確かめると、その場で迷いません。
そのうえで、保管の場所を全員が知っている形にします。
訓練で動きを確かめる
書いてあっても、動けるとは限りません。年に1回、実際に動いてみます。
そのうえで、役割を分担して行います。誰がそばにいて、誰が連絡し、誰が他の子どもを見るか。
やってみると、決めていなかった部分が出ます。
薬の場所を知らない職員がいることも分かります。
保育園のアレルギー対応と家庭とのやり取り
保育園のアレルギー対応は、家庭とのやり取りが続きます。入園時だけでなく、日々と定期の場面があります。
上の2つが、日常的なやり取りです。そのうえで、年に1回の見直しで対応の範囲を更新します。
献立を事前に渡して確かめてもらう
献立を月ごとに渡し、確かめてもらいます。除去が必要な献立を、事前に把握できます。
そのうえで、原材料まで書いた形で渡します。料理の名前だけでは、何が入っているか分かりません。
保護者から気づく点が出ることもあります。
家庭で食べたことのない食品も、分かります。
食べた量と様子を伝える
その日に何をどのくらい食べたか。様子に変わりがなかったか。
そのうえで、連絡帳に書く形にします。口頭だけだと、記録に残りません。
いつもと違う様子があれば、その場でも伝えます。
家庭での様子も、あわせて聞きます。
家庭からの持ち込みの扱いを決める
弁当や、代わりの食品を持参してもらう場合があります。持ち込みの扱いを、先に決めておきます。
持ち込みの扱いを決めておくと、その場で迷いません。
そのうえで、保管の場所と方法も決めます。夏場は、傷むおそれがあります。
他の子どもの食事と混ざらない形にします。
保育園のアレルギー対応を調理の流れで確かめる
保育園のアレルギー対応は、調理の段階から始まります。献立から盛り付けまで、混ざらない順序にします。
- 1 献立の確認 原材料まで見る
- 2 発注 除去する食品を外す
- 3 調理の順序 除去食を先に作る
- 4 器具の扱い 分けるか洗ってから
- 5 盛り付け 別の場所で
- 6 調理側の確認 印を付ける
順序を変えるだけで、防げる部分があります。そのうえで、最後の確認まで含めます。
献立を原材料まで確かめる
料理の名前だけでは、何が入っているか分かりません。加工食品には、思わぬ原材料が含まれます。
そのうえで、原材料の表示を確かめます。仕入れる商品が変わると、原材料も変わることがあります。
同じ商品名でも、内容が変わっていることがあります。
献立を作る段階で、除去が必要な部分を洗い出します。
除去食を先に作る
後から作ると、器具や場所にすでに付いています。先に作れば、その心配がありません。
そのうえで、調理の順序を決めておきます。その日の担当が変わっても、同じ順序になります。
作った後は、蓋をして分けて置きます。
置き場も決めておきます。
器具と場所を分ける
まな板、包丁、鍋。専用のものを用意すると、混ざりません。
そのうえで、専用のものに印を付けます。色を分けると、間違えません。
分けられない場合は、洗ってから使います。
洗い方も決めておきます。
調理側でも確認の印を付ける
作った人が、確認の印を付けます。除去する食品が入っていないことを確かめます。
そのうえで、名前も書きます。誰が作ったかが分かる形にします。
配膳の側でも、もう一度確かめます。
2回の確認が、この段階でつながります。
少人数の調理でも仕組みを外さない
調理の担当が1人しかいない園もあります。確認を2回行うことが難しくなります。
そのうえで、別の職員に確かめてもらう形にします。保育の職員でも、確認表を見れば分かります。
1人で作って1人で配ると、気づく機会がありません。
外部の業者に委託している場合も、仕組みが要ります。届いたものを、園の側で確かめます。
そのうえで、業者との間で情報を共有します。確認表を渡し、変更があれば伝えます。
届いた食事に名札が付いているかも、確かめます。
委託の場合も、最後に配るのは園の職員です。
保育園のアレルギー対応を職員に届ける
保育園のアレルギー対応は、決めただけでは動きません。職員に届く形にします。
- 掲示確認表を給食の場所に
- 配置時担当する部分を渡す
- 訓練緊急時の動きを確かめる
3つとも、届け方が違います。そのうえで、どれか1つでは足りません。
給食の場所に掲示する
確認表を、配膳する場所に掲示します。その場で見られる形にします。
そのうえで、見やすい大きさにします。小さい字で書いてあると、急いでいるときに読めません。
内容が変わったら、掲示も差し替えます。
古い掲示が残っていると、間違った対応になります。
配置が決まったときに渡す
担任が決まったとき、担当するクラスの分を渡します。全園分ではなく、必要な部分だけにします。
そのうえで、内容を説明します。渡すだけでは、読まれないことがあります。
途中で配置が変わったときも、同じ扱いにします。
臨時で入る職員にも、その日の分を伝えます。
年に1回読み合わせる
全職員で、対応の内容を読み合わせます。一度伝えただけでは、時間とともに薄れます。
年に1回読み合わせると、認識がそろいます。
そのうえで、変わった部分を重点的に伝えます。
対象の子どもが増えたときの体制を決める
対象になる子どもが増えると、確認の手間も増えます。同じ体制のままだと、負担が集中します。
そのうえで、配膳の職員を増やす形もあります。1人で複数を確認すると、見落としやすくなります。
クラスごとの配置も、見直します。
対象の子どもが1つのクラスに集まっていることもあります。
卒園と進級のときに引き継ぐ
進級でクラスが変わると、担任も変わります。情報が引き継がれないと、そこで切れます。
そのうえで、引き継ぎの資料に入れます。確認表を、新しい担任に渡します。
口頭だけでは、細かい部分が伝わりません。
書面で渡したうえで、内容を説明します。なぜその対応をしているかも、あわせて伝えます。
そのうえで、家庭にも変更を伝えます。担任が代わったことを知らせます。
進級の時期は、書面の見直しとも重なります。新しい書面を受け取ってから、確認表を作り直します。
卒園するときは、記録の扱いを決めます。保存するか、家庭に返すか。
そのうえで、次の園や学校へ引き継ぐ場合もあります。保護者を通じて渡す形になります。
様式はアレルギー対応確認表テンプレート、アレルギー対応マニュアルからダウンロードできます。給食の記録は検食簿、給食日誌にまとめています。
よくある質問
生活管理指導表は必ず必要ですか。
国の「保育所におけるアレルギー対応ガイドライン」では、医師が記入する生活管理指導表をもとに対応を決める形が示されています。保護者の申し出だけで除去を決めると、範囲が過剰になったり不足したりします。園の方針を決めて保護者に伝えておくと運用がそろいます。
誤食はどこで起きやすいのですか。
配膳の場面と、おかわりの場面で起きやすくなります。トレイや食器の色を分け、名札を付ける方法が広く使われています。行事の食事や、他の子どもの食べ残しに触れる場面も押さえておく必要があります。
緊急時の動きはどう決めますか。
症状が出たときに誰が何をするかを、平時に決めて書面にする形になります。医師から薬が処方されている場合の扱いも、保護者と医師に確かめて決めます。訓練で動きを確かめると、実際に動けるようになります。