保育の避難訓練記録|毎月の訓練と避難確保計画
公開 2026年9月4日/更新 2026年10月3日
目次11項目
- 1保育の避難訓練とは何を確かめる訓練か
- 決めた動きができるかを見る
- 職員の役割を身に付ける
- 子どもが動きを覚える
- 2保育の避難訓練の想定をどう変えるか
- 午睡中の想定を入れる
- 職員が少ない時間帯で行う
- 予告なしの訓練を年に1回入れる
- 3保育の避難訓練記録に書く項目
- かかった時間を測る
- 動けなかった部分を残す
- 参加できなかった職員を残す
- 4保育の避難訓練で人数をどう確認するか
- 名簿を持ち出す担当を決める
- 呼名で数える
- 数が合わないときの動きを決める
- 5保育の避難訓練と保護者への引き渡し
- 避難先を保護者に伝えておく
- 連絡の方法を複数持つ
- 引き渡しの記録を残す形にする
- 6保育の避難確保計画が必要になる園
- 自園が区域に入るかを確かめる
- 垂直の避難を計画に入れる
- 報告と訓練の記録を残す
- 7保育の避難訓練を年間で組む
- 年間の予定表を作る
- 消火の訓練もあわせて行う
- 地域や消防と連携する
- 訓練の記録を保護者にも伝える
- 訓練の役割を交代する
- 記録の様式を年に1回見直す
- 8保育の避難訓練記録を次につなげる
- 気づいた点を会議で共有する
- 計画とマニュアルに反映する
- 次の訓練で同じ点を確かめる
- 9保育の避難訓練にかかわる最近の動き(2026年10月時点)
- 10保育の避難訓練に出てくる用語
- 11保育の避難訓練と一緒に押さえておきたいこと
- 保育の避難訓練は消防への事前の通報が要る
- 保育の避難訓練の記録は、安全計画の様式とつなげる
- 避難確保計画の対象なら、訓練の結果も報告する
毎月同じ時間に、同じ経路で、同じ想定で行う。子どもは慣れますが、実際の場面とは違う動きになります。
一般には、想定を変えて行う形が求められています。それでも、毎月のことなので前の月の記録を写すほうが早く済みます。
とはいえ、変える軸はいくつもあります。時間帯や出火の場所を変えるだけで、確かめられることが変わります。
ポイントはここです。保育の避難訓練は、想定を変えて行うことで実際に動ける形になります。
ここでは、何を確かめる訓練なのか、想定の変え方、記録に書く項目、そして年間の組み方までを順に整理します。
保育の避難訓練とは何を確かめる訓練か
保育の避難訓練は、決めた動きが実際にできるかを確かめる場です。確かめる中身は、大きく3つに分かれます。
そのうえで、3つとも計画に書いてあるだけでは分かりません。動いてみると、書いていなかった部分が出ます。
- 動けるか経路と運び方
- 数えられるか人数の確認
- 伝わるか連絡と引き渡し
3つのどれかが欠けると、避難が完了しません。そのうえで、真ん中の人数の確認が省かれやすくなります。
決めた動きができるかを見る
計画では30秒で外に出られることになっている。実際にやってみると、倍の時間がかかります。
そのうえで、どこで時間がかかったかが分かります。靴を履く、扉が開かない、人数が足りない。
計画のほうを直す材料になります。
計画どおりに動けたかを見る場と考えます。
職員の役割を身に付ける
誰が何をするかを、体で覚えます。書いてあるだけでは、その場で思い出せません。
そのうえで、役割を交代して行います。決まった人が不在のこともあります。
何度か行うと、動きが早くなります。
新しく入った職員には、特に必要です。
子どもが動きを覚える
放送や合図があったら、どうするか。繰り返すと、子どもも動けるようになります。
そのうえで、年齢によって伝え方を変えます。低い年齢では、抱えて運ぶことになります。
怖がらせない形で伝えます。
訓練であることを、先に伝えておく場合もあります。
保育の避難訓練の想定をどう変えるか
保育の避難訓練は、いくつかの軸で想定を変えられます。毎回1つだけ変える形でも、積み上がります。
上の2つが、いちばん大きく変わります。そのうえで、下に行くほど準備が要ります。
| 想定 | 変わること | 確かめる点 |
|---|---|---|
| 火災 | 経路と煙 | 出火の場所で経路が変わる |
| 地震 | 落下物と揺れ | まず身を守る動き |
| 水害 | 上の階へ避難 | 垂直の避難ができるか |
| 午睡中 | 起こして運ぶ | 時間がかかる |
| 夕方 | 職員が少ない | 1人で何人運べるか |
| 屋外の活動中 | 園に戻れない | その場での避難 |
| 予告なし | その場の判断 | 動けるかどうか |
右の列が、その想定で確かめられることです。そのうえで、想定によって出てくる課題が違います。
午睡中の想定を入れる
眠っている子どもを起こして、避難させます。起きているときとは、かかる時間が違います。
そのうえで、靴も履いていません。どこで履くか、履かせずに運ぶか。
やってみると、決めていなかった部分が出ます。
年に1回か2回は、この想定を入れます。
職員が少ない時間帯で行う
朝の早い時間や、夕方の遅い時間。職員の数が少なくなります。
少ない人数で確かめると、無理な計画が分かります。
そのうえで、1人で何人を運べるかも分かります。
予告なしの訓練を年に1回入れる
予告があると、準備してから始まります。実際の場面では、準備の時間がありません。
そのうえで、職員には事前に伝える形もあります。子どもには知らせずに行います。
その場の判断が要る場面が出ます。
安全に配慮したうえで、行う範囲を決めます。
保育の避難訓練記録に書く項目
保育の避難訓練記録は、想定から気づいた点までを1枚で残します。次につながる部分は、最後の欄になります。
- 1 想定 災害の種類と場所
- 2 日時 実施した日と時刻
- 3 参加した人数 子どもと職員
- 4 避難の経路 使った経路
- 5 かかった時間 開始から完了まで
- 6 気づいた点 動けなかった部分
前半は、行ったことの記録です。そのうえで、後半が次に生きる部分になります。
かかった時間を測る
合図から避難の完了までを、時計で測ります。感覚では、実際より短く感じます。
そのうえで、記録に残すと比べられます。前の回より早くなったか、遅くなったか。
想定が違えば、時間も違います。
同じ想定どうしで比べる形にします。
動けなかった部分を残す
うまくいった部分だけを書くと、次につながりません。できなかった部分を書きます。
動けなかった部分を残すと、次の訓練で確かめられます。
そのうえで、なぜできなかったかも書きます。
書きにくい部分ですが、ここが記録の中心になります。
参加できなかった職員を残す
休みだった職員、他の対応で参加できなかった職員。その人たちは、その回の訓練を経験していません。
そのうえで、後から内容を伝えます。記録を渡すか、口頭で説明します。
参加できていない回が続く人がいないかも、確かめます。
年間を通して見ると、偏りが分かります。
保育の避難訓練で人数をどう確認するか
保育の避難訓練で、人数の確認は外せません。避難先で、全員がいることを確かめます。
- クラスごとの名簿を持ち出したか はい次へ いいえ持ち出す担当を決める
- 避難先で名前を呼んで数えたか はい次へ いいえ呼名で確かめる
- 在園の人数と合っているか はい次へ いいえ園内を確かめる
- 確認した結果を記録したか はい確認が閉じた形 いいえ数と時刻を書く
名簿を持ち出し、呼名で数え、在園の人数と突き合わせる
最初の名簿が無いと、後が進みません。そのうえで、持ち出す担当を決めておきます。
名簿を持ち出す担当を決める
避難のときに、名簿を持ち出します。決めていないと、誰も持たずに出ます。
そのうえで、置き場所も決めます。すぐ取れる場所に、まとめて置きます。
その日の出欠を反映した形にしておきます。
前日の名簿だと、人数が合いません。
呼名で数える
頭数を数えるだけだと、誰がいないか分かりません。名前を呼んで、返事か姿を確かめます。
呼名で確かめると、誰がいないかが分かります。
そのうえで、低い年齢では職員が確かめます。
数が合わないときの動きを決める
1人足りないと分かったとき、何をするか。その場で決めると、時間がかかります。
そのうえで、誰が園内を確かめに戻るかを決めます。1人では戻らない形にします。
避難先に残る人の体制も、決めておきます。
実際の場面では、戻れない判断もあります。
保育の避難訓練と保護者への引き渡し
保育の避難訓練は、避難して終わりではありません。保護者に引き渡すまでが、一続きになります。
決めておくこと
- 避難先を保護者に伝える
- 連絡の方法
- 引き渡しの場所と方法
- 帰れない場合の対応
決めていないと起きること
- 保護者が園に来てしまう
- 連絡が通じない
- 引き渡しの記録が残らない
- 園に残る子どもの体制がない
左は事前に決められることです。そのうえで、右は決めていないときに実際に起きます。
避難先を保護者に伝えておく
園から避難した後、どこにいるかを保護者が知らないと探すことになります。避難先を、事前に伝えておきます。
そのうえで、入園のときに渡す資料に入れます。年に1回、確かめの意味で配り直します。
複数の避難先がある場合は、順序も伝えます。
掲示する場所も、決めておきます。
連絡の方法を複数持つ
電話が通じないことがあります。1つの方法だけだと、そこで切れます。
連絡の方法を複数持つと、通じる経路が残ります。
そのうえで、訓練のときに実際に送ってみます。
引き渡しの記録を残す形にする
誰に、いつ渡したか。記録が無いと、後から確かめられません。
そのうえで、引き渡す相手も決めておきます。保護者以外の人が来ることがあります。
名簿に、引き渡してよい人を書いておきます。
記録の様式も、あらかじめ用意しておきます。
保育の避難確保計画が必要になる園
保育の避難訓練とは別に、避難確保計画が要る園があります。浸水や土砂災害の区域の中にあり、市町村の地域防災計画に名前が載っている場合です。
- 1 ハザードマップ 区域に入るか確かめる
- 2 所管の課に確認 対象かどうか
- 3 計画の作成 定められた項目で
- 4 報告 自治体へ提出
- 5 訓練 計画にもとづいて行う
- 6 見直し 訓練の結果を反映
最初の確認から始まります。そのうえで、対象なら計画の作成と報告が要ります。
自園が区域に入るかを確かめる
自治体のハザードマップで、園の場所を確かめます。浸水想定区域か、土砂災害の警戒区域か。
そのうえで、市町村の地域防災計画に園の名前が載っているかも確かめます。計画を作る義務は、名前が載った施設にかかる形です。
区域に入るかを確かめると、対象かどうかが分かります。
そのうえで、判断に迷う場合は所管の課に聞きます。
垂直の避難を計画に入れる
水害では、外に出るより上の階へ移るほうが安全な場合があります。垂直の避難を、計画に入れます。
そのうえで、上の階まで運べるかを確かめます。階段を使って、何人を何回で運ぶか。
時間もかかります。
早い段階で判断する形になります。
報告と訓練の記録を残す
計画を作ったら、市町村長へ報告します。計画にもとづく訓練を行い、その結果を報告することも定められています(水防法第15条の3第5項、土砂災害防止法第8条の2第5項)。
そのうえで、記録を残します。求められたときに、出せる形にします。
計画も、見直したら報告し直します。
内容が変わったまま報告していないことがあります。
保育の避難訓練を年間で組む
保育の避難訓練は、毎月行うことが求められています。年間の予定として、先に組みます。
毎月行うのが土台です。そのうえで、想定を回していく形にします。
年間の予定表を作る
その月ごとに何の想定で行うかを、年度の初めに決めます。毎月考えると、同じ想定が続きます。
そのうえで、季節も考えます。台風の時期に水害、乾燥する時期に火災。
行事の予定とも、重ならないようにします。
予定表があると、準備もできます。
消火の訓練もあわせて行う
避難だけでなく、消火器を使う訓練も行います。児童福祉施設の設備及び運営に関する基準第6条第2項でも、避難と消火の訓練を少なくとも毎月1回行うこととされています。実際に使ったことがない職員がいます。
そのうえで、消防署に依頼する形もあります。使い方を教えてもらえます。
通報の訓練も、あわせて行います。
どこに何を伝えるかを、決めておきます。
地域や消防と連携する
消防署に立ち会ってもらう回を作ります。園の職員では気づかない点を、指摘してもらえます。
外の目が入ると、気づく点が変わります。
そのうえで、近隣との連携も考えます。
訓練の記録を保護者にも伝える
どういう訓練を行っているかを、保護者に伝えます。園だよりに、簡単に書く形があります。
そのうえで、家庭でも話題になります。子どもが訓練のことを話すことがあります。
引き渡しの訓練は、保護者にも参加してもらいます。
年に1回は、実際に来てもらう形にします。
訓練の役割を交代する
同じ人が毎回同じ役割だと、他の役割を経験しません。実際の場面では、その人がいないことがあります。
そのうえで、回ごとに役割を変えます。全員が、どの役割もできる形を目指します。
主任や園長が不在の想定も、入れます。
判断する人がいない場面が、実際に起きます。
記録の様式を年に1回見直す
書きにくい欄、使っていない欄が出てきます。年に1回、見直します。
そのうえで、記録を書いている職員から聞きます。使っていない人が直すと、書きにくくなります。
気づいた点を書く欄は、広く取ります。
狭いと、書ける量が限られます。
自治体から様式が示されている場合は、それに合わせます。報告が求められる形になっていることがあります。
そのうえで、園独自の欄を足す形にします。求められる項目を満たしたうえで、必要な欄を加えます。
過去の記録と、形がそろっているかも確かめます。
様式が変わると、比べにくくなります。
保育の避難訓練記録を次につなげる
保育の避難訓練は、記録を残して終わりではありません。気づいた点を計画に戻すと、積み上がります。
- 気づいた点動けなかった部分
- 計画の見直しマニュアルに反映
- 次の訓練同じ点を確かめる
3つが1周すると、訓練が変わります。そのうえで、途中で止まると毎回同じ課題が出ます。
気づいた点を会議で共有する
訓練の後、その場で振り返ります。時間が経つと、細かい部分が薄れます。
そのうえで、参加していない職員にも伝えます。会議の議題にすると、全員に届きます。
子どもの様子も、あわせて共有します。
怖がっていた子ども、動けなかった子ども。
計画とマニュアルに反映する
気づいた点を、計画に書き戻します。記録に書いただけでは、計画は変わりません。
そのうえで、変えた部分を職員に伝えます。計画が変わったことを知らないままだと、動きが分かれます。
避難の経路や、役割の分担。
変える理由も、あわせて伝えます。
次の訓練で同じ点を確かめる
前回できなかった部分が、今回できるようになったか。同じ想定で、もう一度行います。
前回の課題を確かめると、積み上がります。
そのうえで、記録に前回の課題を書く欄を作ります。
毎回まったく違う想定にすると、確かめる機会がありません。
同じ想定を2回続ける形も、有効です。
課題が解決したら、次の想定へ進みます。解決していなければ、原因を掘ります。
そのうえで、設備の問題であることもあります。扉が重い、経路が狭い、階段に手すりがない。
その場合は、設備の改善につなげます。
訓練で分かることには、限りもあります。
そのうえで、限りがあることを知ったうえで行います。実際の場面は、想定どおりには進みません。
保育の避難訓練にかかわる最近の動き(2026年10月時点)
保育の避難訓練の「毎月1回」は、昔から変わっていない決まりです。そのうえで、訓練の結果の報告や、避難の判断に使う情報は、この数年で動いています。
| 時期 | 内容 | 根拠 |
|---|---|---|
| 2021年7月15日 | 避難確保計画の対象の施設に、計画にもとづく訓練の結果を市町村長へ報告する義務が加わった | 特定都市河川浸水被害対策法等の一部を改正する法律(令和3年法律第31号)、水防法第15条の3第5項 |
| 2023年4月1日 | 保育所に安全計画の策定が義務付けられた。国の事務連絡では、避難訓練は地震と火災だけでなく、地域の特性に応じた様々な災害を想定して行うこととされた | 児童福祉施設の設備及び運営に関する基準第6条の3、厚生労働省 事務連絡(2022年12月15日) |
| 2025年12月12日 | 気象業務法及び水防法の一部を改正する法律が公布された | 令和7年法律第86号 |
| 2026年5月29日 | 同法が施行された。気象庁の白書では、防災気象情報を「氾濫危険警報」「土砂災害危険警報」「大雨危険警報」などの新しい名前に改めることが示されている | 気象庁「気象業務はいま 2026」 |
保育の避難訓練で影響が大きいのは、2026年の防災気象情報の名前の変更です。避難確保計画や園のマニュアルに、古い情報の名前で「この情報が出たら避難を始める」と書いている場合は、新しい名前に合わせて書き直しておくと、その場で迷いません。
出典:
- 児童福祉施設の設備及び運営に関する基準(e-Gov法令検索)
- 厚生労働省 事務連絡「保育所等における安全計画の策定に関する留意事項等について」(2022年12月15日)
- 水防法(e-Gov法令検索)
- 土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律(e-Gov法令検索)
- 気象庁「気象業務はいま 2026」トピックス 気象業務法及び水防法の一部改正について
- 消防法施行規則(e-Gov法令検索)
- 消防法施行令(e-Gov法令検索)
確認日は2026年10月3日です。訓練の届け出と消防計画は所轄の消防署、避難確保計画は市町村の防災の担当課、毎月の訓練の記録は園を所管する市区町村の保育担当課で確かめられます。
保育の避難訓練に出てくる用語
保育の避難訓練には、児童福祉の基準と、消防と水防の法律の言葉が重なります。
| 用語 | 意味 | 出典 |
|---|---|---|
| 避難及び消火の訓練 | 児童福祉施設が少なくとも毎月1回行う訓練 | 児童福祉施設の設備及び運営に関する基準第6条第2項 |
| 非常災害に対する具体的計画 | 非常災害に備えて立てる計画。消火用具や非常口などの設備とあわせて求められる | 同基準第6条第1項 |
| 安全計画 | 設備の安全点検、安全の指導、職員の研修と訓練などをまとめた計画 | 同基準第6条の3 |
| 避難確保計画 | 法律の上では「避難の確保を図るために必要な訓練その他の措置に関する計画」。浸水想定区域や土砂災害警戒区域の要配慮者利用施設が作る | 水防法第15条の3、土砂災害防止法第8条の2 |
| 要配慮者利用施設 | 社会福祉施設、学校、医療施設その他の、主として防災上の配慮を要する人が使う施設。保育所は社会福祉施設にあたる | 水防法第15条第1項第4号ロ |
| 防火管理者 | 消防計画を作り、消火、通報、避難の訓練を行う責任者。保育所は収容人員30人以上で置く | 消防法施行令第1条の2第3項 |
保育の避難訓練で取り違えやすいのは「毎月1回」と「年2回」です。毎月1回は児童福祉施設の基準、年2回以上は消防の決まりで、どちらも満たす形になります。
保育の避難訓練と一緒に押さえておきたいこと
保育の避難訓練は消防への事前の通報が要る
保育の避難訓練は、園の中だけで完結させている園も多くあります。保育所は消防法施行令の別表第一(六)項ハに当たる防火対象物で、消防法施行規則第3条第10項では、防火管理者が消火訓練と避難訓練を年2回以上行うこととされています。同条第11項では、この訓練を行うときは、あらかじめ消防機関に通報することとされています。毎月の訓練のうち、年2回以上の回を消防への届け出の対象として年間の予定に印を付けておくと、届け出の漏れが防げます。
保育の避難訓練の記録は、安全計画の様式とつなげる
保育の避難訓練の記録は、記録だけを綴じている形が多くあります。国の事務連絡(2022年12月15日)に付いた安全計画の様式の例では、基準第6条第2項にもとづく毎月1回以上の避難と消火の訓練を「避難訓練等」として、月ごとの予定を書く形が示されています。年度の初めに安全計画の月ごとの欄と、避難訓練の記録の想定をそろえておくと、計画と実施の食い違いが出ません。
避難確保計画の対象なら、訓練の結果も報告する
保育の避難訓練のうち、水害や土砂災害を想定した回は、避難確保計画の訓練を兼ねることができます。対象の施設は、計画にもとづく訓練を行い、その結果を市町村長に報告することとされています(水防法第15条の3第5項、土砂災害防止法第8条の2第5項)。報告の様式や時期は市町村によって違うため、防災の担当課に確かめて、避難訓練記録に報告した日を書く欄を足しておくと、報告の漏れが防げます。
様式は避難訓練記録テンプレート、避難確保計画からダウンロードできます。体制は事故防止・事故発生時対応マニュアルにまとめています。

よくある質問
避難訓練はどのくらいの頻度で行うのですか。
児童福祉施設の設備及び運営に関する基準では、避難と消火の訓練を少なくとも毎月1回行う旨が定められています。毎月同じ想定だと動きが固定されるため、時間帯や災害の種類を変えていく形が広く使われています。
避難確保計画はどの園が作るのですか。
浸水想定区域や土砂災害警戒区域の中にあり、市町村の地域防災計画に名称と所在地が載った要配慮者利用施設が対象です。水防法第15条の3や土砂災害防止法第8条の2で、計画を作って市町村長に報告すること、計画にもとづく訓練を行ってその結果を報告することが定められています。自園が対象かは、ハザードマップと市町村の防災の担当課で確かめる形になります。
訓練の記録には何を残すのですか。
想定と実施の日時、参加した人数、避難にかかった時間を残す形が広く使われています。あわせて、うまく動けなかった部分を残すことが要になります。次の訓練で確かめる材料になります。